夜を渡る風
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漫画界で一大ムーブメントを巻き起こした“劇画”の名付け親にして、日本以上に欧米で高い評価を受けているという伝説的漫画家、辰巳ヨシヒロ(1935~)。本作は、世界的に高い評価を受けるシンガポールの俊英エリック・クー監督が、2009年手塚治虫文化賞大賞に輝いた辰巳ヨシヒロの自伝的エッセイ漫画『劇画漂流』と、彼の代表的な短編5本を映画化した異色の長編アニメーションによるドキュメンタリー映画である。声の出演では辰巳ヨシヒロ本人に加え、俳優の別所哲也がナレーション他6役を担当している。 昭和10年、大阪に生まれ、新聞社に4コマ漫画を投稿していた少年時代の辰巳ヨシヒロは、憧れの手塚治虫と対面する機会を得て、“長編漫画を描きなさい”という言葉をもらう。高校卒業後、プロの漫画家となった辰巳は、やがて自らが描く大人向けの漫画を“劇画”と命名し(昭和32年)、後の劇画ブームの火付け役となる。海外で高い評価を得てきたジャパニーズカルチャーの原点でありながら多くの日本人が知らない才能が逆輸入的に紹介される。2011年に製作されたシンガポールの作品だ。伝記的部分と短編劇画の再現アニメ『地獄/HELL』、『いとしのモンキー/BELOVED MONKEY』、『男一発/JUST A MAN』、『はいってます/OCCUPIED』、『グッドバイ/GOOD-BYE』の5編による作品構成も新鮮な仕上がりだ。昭和の情景がリアルに立ち昇ってくる。
Jan 20, 2015
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