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Oct 5, 2005
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カテゴリ: 外国映画
 映画の冒頭。白鳥の群れが舞い飛ぶ湖。空を紅く染めて陽が沈もうとしている。湖上に浮かぶ小さなボートのロング・ショツト。この絵から‘81年作品マーク・ライデル監督の『黄昏』を思い出した。
『黄昏』はニューイングランドを舞台に、この地で毎年夏をすごす老夫婦と久しぶりにやって来た娘一家との心の交流を描いた名編。ヘンリー・フォンダとキャサリン・ヘップバーンが老夫婦に扮し、ジェーン・フォンダが娘の役で出演。ヘンリー・フォンダは、遺作となったこの作でアカデミー主演男優賞を受賞した。

『きみに読む物語』の監督ニック・カサヴェテスは老女アリー・カルフーン役のジーナ・ローランズの息子である。ニックの監督デビュー作『ミルドレット』以来8年ぶりの共同作品となった。
 最近のアメリカ映画では、『めぐりあう時間たち』‘02『エデンより彼方へ』‘02「モナリザ・スマイル』‘03のように、1950年代を中心としたパクス・アメリカーナの時代の上流社会のエレガントな美しさを、ノスタルジックな映像で映し出した作品が多くなってきた。

 『きみに読む物語』の舞台となるのは‘40年代のアメリカ南部ノース・カロライナ州シーブルック。地元の材木工場で働く若者ノアと大都市チャールストンの裕福な家庭に育ったアリーはカーニバル夜に出会った。
‘40年代の若い日々。ひたむきな生命の煌きと躍動と、老いたる今とを対比させながら
きみに読む物語を紡ぎだしてゆく語り口。だからこそ、青春の記憶が光り輝く。

前作『ジョンQ―最後の決断―』で、難病に冒された最愛の息子の命を救うため、病院に篭城した父親ジョン・Q(デンゼル・ワシントン)の行動を通して、アメリカの保険医療制度の矛盾を突いたニック・カサヴェテス監督。本作ではアルツハイマー症とどう向きあうか?


サスペンス仕立ての物語構成になっているのでラストは、観てのお楽しみとしておきますが、静かな余韻が、じわじわと湧き起ってくるエンディングである。

昨年の日本映画、犬童一心監督の『死に花』は、高齢者が銀行の金庫破りを計画実行するという異色クライム・ムービー。このなかで藤岡琢也と加藤治子が演じた老カップルが決断した鮮やかな結末に通じるものを感じた。






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Last updated  Nov 9, 2008 01:43:48 PM
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