






若冲の動植綵絵は、多くの動物や植物が描かれていても、その奥行き感は、あまり意識せずに描かれているように思います。奥にあるものも、手前にあるものも、ほぼ同じ大きさで描かれており、奥のものをぼかして描くというテクニックも使われていません。絵が平面的です。だからこそインパクトがあるのですが。それが、図H 「貝甲図(ばいこうず)」
に限っては、奥に行くに従って、貝類が小さく描かれていて、奥行き感が感じられます。「こういう描き方もできるんだぞ。」というところを示したかったのかもしれません。ですが、奥の貝類も手抜きはなく、決して細密さを失っていません。こういったところや、回りに比べると異様に大きくかつ俯瞰的ではなく平面図的に描かれ、手前の宙に浮かんでいるようにも見える左上隅の茶色の二枚貝、左下のお化けのような大きな貝、生き物のようにくるくると巻いた波など、若冲の面目躍如というところが多く発見できる絵です。【若冲と応挙】#56 付録4 若冲と同時代… 2021/10/29 コメント(4)
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