ワルディーの京都案内

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2021/08/25
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テーマ: 京都。(6436)
カテゴリ: 若冲と応挙
【2021年8月25日(水)】

 昨日は、京都市産業観光局に立ち寄り、事務所出頭、夕刻から会の月イチの集まりでした。今日は、計画在宅で会の諸事です。そろそろ夏の梅雨が明けて、暑くなりそうです。


 「若冲と応挙」の第38回。「絵を比べてみる」の2回目です。


◆第4章 若冲と応挙を比較してみる(続き)

4-1 絵を比べてみる(続き)

 図1 若冲「老松孔雀図」動植綵絵
                               宮内庁三の丸尚蔵館(再掲)

「松」 の表現も比較しましょう。 図1 若冲(前回も紹介)の松は葉が密で、そのうえ中心部の背景に濃い緑色が加えられ、まるでイガクリのように見えます。動植綵絵で登場する松はすべてこのような表現になっています。それらの前景には必ず白い鳥が描かれており、松の緑を濃くしているのは、鳥の白さを強調するためだと思われます。一方、 図2 応挙の松の絵は、葉が疎らで、根元まで葉が一本一本認識できます。葉が一本一本見えたほうが、より松らしく見えるという考えから、意識的に葉を疎らに描いたのではないでしょうか。例のそのまま「写す」のではなく、「らしく見せる」の「写す」です。 図3 応挙は、遠景として描かれた松部分の拡大です。遠景では葉の一群が小さくなるので、葉を一本一本描こうとすると、さらに疎らにせざるを得ません。すると緑色が弱まり松らしく見えなくなるので、よく見ると葉の後ろに薄く緑色を置いているのが分かります。




図2 応挙「松に孔雀図」部分(再掲)大乗寺 図3 応挙「保津川図屏風」重文 部分拡大 千總



「梅」 です。 図4 若冲のほうは、あり得ない奇妙な枝ぶりが多く描かれ、満月の夜の静けさの中に緊張感が漂います。 図5 応挙のほうは、梅らしい枝ぶりで、紅梅はピンク色、紅色が混ざり、春に向かうのどかな日を感じさせます。


図4 若冲「月夜白梅図」個人蔵       図5 応挙「梅花双鶴図小襖」三井記念美術館
                              図7 応挙「黄蜀葵鵞鳥小禽図」
               図6 若冲「芦鵞図」動植綵絵     とろろあおいがちょうしょうきんず
                 宮内庁三の丸尚蔵館        部分 個人蔵

  続いて 「鵞鳥」 です。 図6 若冲。ガチョウの羽や体は真っ白なはずですが、 「裏彩色」 による錯視的な金色が加えられているようです。動植綵絵の他の白い鳥の絵も、すべてこの錯視金色が加わっています。ガチョウの体型はもっとずんぐりしているはずですが、三角形状にスタイリッシュにデフォルメされています。 図7 応挙。オデコの出っ張りといい体型といい、こちらの方が実際に近いでしょう。しかし、体や羽に金色が配されています。絹本ですので、若冲と同じように「裏彩色」を用いているかもしれません。これも「動植綵絵」を見た、あるいは評判を聞いた応挙が「俺だって、裏彩色で金色を出せるんだぞ」とライバル意識むき出しで描いたのかもしれません。「色」の面では、応挙らしからぬ表現かなと思います。

            図8 若冲「雪中鴛鴦図」     図9 応挙「芙蓉飛雁・寒菊水禽」
               せっちゅうえんおうず       双幅の内左幅「寒菊水禽図」
               動植綵絵 宮内庁三の丸尚蔵館    個人蔵

「鳥」 図8 若冲。真横を向いた石上の鴛鴦(おしどり)。もう一羽は水中に顔を入れています。番(つがい)でしょうか。でも石上の鳥は、水上の鳥を見ているわけではありません。「おしどり夫婦」という言葉もありますが、反対に冬の景色と相まって孤独感を感じます。若冲の絵はこのように一枚の絵に複数の動物・鳥・昆虫が描いてあっても、何か孤独感を感じさせる絵が多いように思います。対して 図9 応挙。仲のよさそうな鴨や鴛鴦の群れです。


(続きます)


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最終更新日  2026/09/06 02:08:01 AM
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Re:【若冲と応挙】#38 絵を比べてみる その2(08/25)  
 前回も含め、かなりの専門的な論述でした。裏彩色や、余白の取り方など。確か同時代の人でしたね。蝶々の表現など、どちらかが真似たのかなと思うくらい似てます。二人の絵を比べて、テーマも似ているのに気づきました。
葉の後ろに薄く緑色を置いている・・・などよく見られてますね。 (2021/08/27 06:20:40 PM)

Re[1]:【若冲と応挙】#38 絵を比べてみる その2(08/25)  
ケイサン9574さんへ
若冲、応挙単独の部分の、私の記述は、正直なところ、美術書の受け売り的な部分も多いですが、若冲、応挙だけを取り上げて、比較した美術書はないので、この部分の記述は、私自身の観察に頼らざるを得ないところがあります。ですので、見方が正しいかどうかは自身がありません。
(2021/08/27 11:02:17 PM)

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