のんびり幸兵衛夢日記

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2006.07.04
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カテゴリ: 読書
宮部みゆきの『震える岩―霊験お初捕物控』を読みました。

宮部みゆきといえば、普通の人にはない力を持った人物を描いた小説がいくつもありますが、この小説ではそれが時代物となっていて、なるほど面白い設定だなと思いました。

客観的にうまく説明はつかないけれども確かにあると思われる力、というのは、現代のような科学技術の進んだ時代では、オカルト的なものであったり、ファンタジーの世界のものと分類されがちですが、

昔はもっと、説明はつかない力とか霊といったものが、人々の日常世界と身近に結びついていました。
こういう時代設定の方がよりその存在に必然性があり、現にこの小説の中でも、お初は「持って生まれた力を生かして生きている」との見方をされています。

この小説の面白いところは、時代物と超能力的な要素がミックスされていること以外に、
時代物(享和という年号が使われた1800年代の江戸時代)の中に、さらにまた、元禄という100年ほどさかのぼる歴史を組み込んでいることです。

元禄の時代の、赤穂事件と生類憐みの令、これらをこの時代特有の理不尽さ、不条理さという共通項でたくみに結びつけています。
ただ歴史的な事件がサラサラと連なるのではなく、実際にその時代を生きた人たちは、このように生々しい感情を持ってその時代を必死に生きたのだと、作り話ではあるけれども、読んでいて想像することができました。



全体として、岩が震えたり人が何度も生き返ったりといった描写を読んでいると、クーンツを連想させられたりしましたが、
宮部みゆきはたしか、スティーブン・キングの本であとがきを書いているほどのファンであったと思うので、そちらの影響もあるのかなぁなんて思ったりもしました。

とにかく、これはやっぱり、宮部みゆきにしか書けない世界であることは確かです。
家にあったからナントナク読んでみたんですが、なかなかよかったです。

震える岩 『震える岩 ―霊験お初捕物控』宮部みゆき(講談社文庫)



昨日の晩ごはん

・豚肩ロース塩胡椒焼き

・ポテトサラダ

・インゲンとちくわの含め煮





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最終更新日  2006.07.05 13:56:32
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