PR
Keyword Search
Freepage List
Comments
逃げ惑う民衆の後ろ姿 それを追う兵士達
人々が立ち去った後に 路上に横たわる男性の姿
ズームアップされたその姿は
片手で、しっかりと小さなビデオを握りしめている
その東洋人と思われる男性
その人が、あの長井健司さんだった
写真のスライドはその少し前に戻る
長井さんの胸を狙って、銃口を向ける若い兵士
次の写真は 仰向けに倒れる長井さんの姿
倒れながら、自分を狙撃した兵士を撮ろうとしていたのだろう
まるで、銃で撃ち返すかのように、ビデオカメラを兵士に向けている
長井さんの銃はビデオカメラだから、兵士は倒れずに
そのまま、民衆に発砲しながら追いかけていき
その後には、瀕死の長井さんだけが取り残された・・・
あの世界中の新聞に配信された1枚の写真
路上に横たわる長井さんの姿
その映像が伝えるものは 言葉より大きい
一体、誰が、どんな人があの写真を撮ったのか?
あの危険な状況で、もしタイミングが違えば、
自分も長井さんと同じように狙撃されていたかも知れないのに・・・
私はそのことを知りたかった
だから、昨夜、中野ゼロホールで「受賞記念報告会」があると知って、、、
仕事帰りで、少し疲れていたけれど、出かけたのだった。
その写真を撮ったのは、ロイター通信の報道カメラマン マドリーヌ・ラティーフ氏
大柄で寡黙な感じのする男性。
彼自身も、これはかなり危険な状況だと感じ、歩道橋の上から写真を撮っていて、ほんの
偶然から、あの写真を撮ってしまったらしい。
時間にして、ほんの4~5分のことだったと言う。
その数日前から、彼自身も政府関係者と思われる、数人の男達に見張られていたそうで
身の危険を感じ、なるべく目立たない格好をして、報道カメラマンであることをわからない
ように気をつけていたと語っていた。
無我夢中で写真を撮り、慌てて歩道橋を駆け降りた瞬間、階段の板が抜け落ち、、、、
危うく、10メートルも下の道路に落ちるところを、片方の足が挟まれてひっかかった為に
転落を免れて、この写真を持ち帰る事が出来た。これはまさに偶然の重なりというのか、
長井さんの目に見えない遺志が、そうさせたのか・・・
ラティーフさん自身も、「この栄えある大賞は、長井さんが私に授けてくれたのだ」と、、、
静かに語っていた。
彼は一枚の写真で注目を浴びた。
スークープ写真を撮ったカメラマンとして有名になった。
そして「DAYS国際フォトジャーナリズム大賞」まで受賞したのに・・・
私の気のせいだろうか?
なぜだか、哀しそうな眼をしていた。
ミャンマーの僧侶のまとう真紅の衣
銃口を向ける兵士の深緑の軍服
横たわる長井さんのカジュアルな夏服姿が、、、
目に焼きついて離れない。
時に映像は、言葉より、文章よりも大きな力を持つことがあるけれど
それは多くの犠牲の上に成り立っているのだろう。
2007年中に命を落としたジャーナリスト77人
死亡した場所で一番多いのは、、、イラクの45人
ソマリア 7人 パキスタン 4人
スリランカ 3人 アフガニスタン2人
その他の国は1人、、、