電話番のフー
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私が阿波古代史の勉強に行き詰まった時、朱鷺さんにお願いして会わせてもらったのがMさんでした。私は古事記に出てくる神々の話をしてくださるものと思って、ワクワクしながらMさんが口を開くのを待った。ところが、Mさんの口から出てきたのは、須佐之男命でもなく大国主命でもなく、645年に起きたクーデター、乙巳の変だった。内心がっかりしながらも、我慢して聞いていると、古代史を語る上で、この事件は決して無視することのできない出来事だとわかってきた。それは、もう10年以上も前の話・・・それから毎月1回、朱鷺ギャラリーで深夜12時まで、Mさんの話を聞くという贅沢で幸せな時間を過ごすことができた。陰と陽、八卦、道(タオ)、古代中国、シュメール、人麻呂、木瓜、阿呆のこと、秦と秦、日本文字のこと、Mさんの話は尽きることがなかった。朱鷺さんが忙しくなり、Mさんに会う回数が減って来たころ、北島古事記研究会の会長から連絡をいただき、Mさんと一緒に会に参加させていただくようになった。その頃からMさんの体調が、万全ではなくなってきた。暢気な私は、Mさんの「いける」という言葉を鵜呑みにし、ただ、第2土曜日を楽しみにしていた。2月2日に入院したとラインをいただいた時も快復されるものと、信じて疑わなかった。バカですね。私は。「骨に転移しても、治るらしい」「そうなんじゃ」と・・・バカすぎて、暢気すぎて、自分に呆れてしまいます。2021年2月22日、Mさんは旅立たれた。犬の大好きなMさん、何で猫の日なん?・・・なんてこんな時、何でこんなことを思うのでしょうね。Mさん、もっともっと研究したかったですか?Mさん、もっともっと発表したかったですか?Mさん、もっともっと分かり合える人と、出会いたかったですね。今まで、Mさんのことを師匠と呼んだことはありませんがこれからは師匠と呼ばせていただきますね。師匠、見守っていてください。師匠の遺志を思いを繋げていきます。そして師匠、明日は65歳の誕生日ですね。天国で人麻呂とお祝いしてくださいね。おめでとうございます。
2021.03.06