ふたり暮らしの手帖

ふたり暮らしの手帖

PR

プロフィール

サリィ斉藤

サリィ斉藤

バックナンバー

2025.11
2025.10
2025.09
2025.08
2025.07
2025.06
2025.05
2025.04
2005.01.11
XML
カテゴリ: 本の話
今日は風の冷たい、とても寒い日でした。


ちいさいおうち改版 ( 著者: ヴァージニア・リー・バートン / 石井桃子 | 出版社: 岩波書店 )

「ちいさいおうち」という絵本は、すでに古典と言ってもいいほどのロングセラー(何しろ私が幼稚園の頃の愛読書ですから!)。一度読んだら忘れないシンプルなストーリーの中に、子ども心にも余韻を残す現代社会への警句が込められた、素晴らしい一冊だと思います。

子どもの頃、この絵本を愛読していた私は、その後実体験として「街がビルや高速道路で埋め尽くされ、ちいさいおうちはその中でうずもれそうになってしまう」…という情景を目の当たりにしました。
横浜の実家の周辺は、昔は下町の風情が漂い、隣近所とのおつきあいも濃密ないい町だったのですが、80年代の「あの」バブルの時代で、町も人も変わりました。
日の当たることもほとんどなくなった家にも、愛着があって離れがたく住み続けていた私たち一家でしたが、結局は、祖父母の死に伴う相続のゴタゴタに巻き込まれ…ちいさいおうちを、絵本のように野原に引越しさせてあげることなど出来るわけもなく、苦い思いとともに家を手放しました。

恐らく、あの時代、日本の至るところで、数え切れないほどの「ちいさいおうち」の物語が生まれていたと思います。

あの、皆がフワフワと浮ついていた頃からいくらか時間が経って、「スローライフ」という言葉が注目されてきたように、「生活している実感」をしっかりと手にしていたい…と思う人が増えてきたのでしょうか。
「Ku:nel」や「リンカラン」など、素朴で地に足をつけたライフスタイルを提唱する雑誌が人気というのも、その表れなのかもしれません。(そういえば、昨日の日誌で紹介した料理研究家の辰巳芳子さんも、それらの雑誌で引っ張りだこのようですね)


ちなみに、続々と創刊される上記の雑誌の中では、江国香織さん姉妹の往復書簡など、連載の読み物が充実している「Ku:nel」がお気に入りです。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2005.01.11 20:13:23
コメント(5) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X

Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: