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カテゴリ: 旅の話
名古屋と紀伊勝浦を結ぶ、JR「南紀特急」。

送迎の車で、10分ほど峠道を分け入ったところにある、海の見える温泉宿で、夫が私の誕生日のお祝いをしてくれました。

以前、二人で世界遺産に登録された「熊野古道」を歩いてみようと思い立ち、その時に拠点にしたのがこの宿でした。
熊野灘の漁港で水揚げされたばかりの、新鮮な魚を選んで好きな調理法でいただける…という夕食のサーヴィスを、魚好きの夫がいたく気に入ったようです。

…そこで、予約の際に誕生日のお祝いであることを告げ、バースディケーキを注文してくれた、心優しいわが夫。
夕食後のサプライズで、私たちの部屋に宿の方が、ケーキの入った箱を届けてくださいました。

誰かのエッセイで、
「バースディケーキのろうそくを消さないと、1歳年を取れない」


早速、大喜びでケーキの箱を開けたのですが…
私たちがその瞬間、二人そろって発した言葉は「美味しそう!」でも「きれい!」でもなく
「な…懐かしい~!!!」
でした。

バースデイ・ケーキ(2005)

オーソドックスなショートケーキの周囲は、レース模様の銀紙で覆われ、ケーキの飾りはプラスチックの造花(!)。チョコレートのプレートに書かれた「おたんじょうびおめでとう」の丸文字も、何とも言えず時代遅れな感じで…
きわめつけは、箱に貼られたお店のシール。「高級洋菓子  とらや 」と書いてありました。と、とらやですか…(笑)

でも、口に運んでみて、再度ビックリ。このケーキ、本当に美味しかったんです。
とにかく、生クリームの味が絶品でした。
その昔、青山にあるクドウというケーキ屋さんが、日本橋タカシマヤの地下にお店を出していて、職場の誰かが誕生日を迎えるたびに、そこでケーキを買ってお昼休みにお祝いしていたのを思い出しました。
大好きだったあのショートケーキにひけを取らない、フレッシュで素朴で、いくらでも食べられてしまうクリームの味でした。

(あとでわかったことですが、その「とらや」さんがある地域は酪農が盛んで、県内に地元ブランドの牛乳や乳製品を大々的に出荷しているところだったのです。新鮮な味がするのは当然ですね)



夫に職場での急用が出来てしまったため、今回は熊野古道を歩くことも出来ず、翌朝早々に出発したのですが、あのケーキの味は、今年の誕生日の忘れられない楽しい思い出です。

名前や見かけで物事を安易に判断してはいけない、ということ、一つ年を取ると同時に、改めて学ばせられた出来事でした。

【宿の方から、野の花のアレンジメントを贈っていただきました】
誕生日のアレンジメント


【今回泊まった宿】








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最終更新日  2005.10.14 13:31:28
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