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カテゴリ: 本の話
タイトルだけ見たら、絶対に手に取らない類の本だと思うのだけれど、この本は広告を見た瞬間に書店に走りました。



0)ないない。だって、あんなすてきな人なんだから。みんなが好きになって寄ってくるのは当たり前だと思うの。もっともっと寄ってきて当然じゃないかと思うの。で、太郎さんが、その子と仲良くしていたら、そばにいる私だってうれしいの。


Yはよしもとばななさん、0は岡本敏子さんです。文中の「太郎」とは、敏子さんが長い時間を共に生きた芸術家、岡本太郎氏を指します。

この本は、今春急逝された岡本さんの死の直前に行われた対談を、一冊の本にまとめたものです。

敏子さんについては、 以前の日記 でも書いているのですが…

はじめてテレビで彼女の話を聞いたとき、相手の死後も全く薄れることのない、太郎への恋心を語る姿に、心底感銘を受けた私。
「恋愛」の現役選手でなくなってからずいぶん経ちますが、この本は絶対に読みたいと思ったのです。

読んでいて、二人の言葉の数々にはうならされるばかり。
埃がつもってガビガビに干からびていた心を、シャワーでガァっと洗い流してもらったような、爽快な気持ちになりました。


という敏子さんの言葉を目にして、突然の死は驚きだったけれど、こんな心境でいらしたのなら、ご本人は平然と運命を受け入れて旅立たれたのだろうなぁと思います。

他にも、『癒しブーム』に関して、
「癒しなんて卑しい言葉を使うな、って言ったの。そんなの、癒されたってしょうがない人ばかりが癒されたがるの」
と、バッサリ。

対するばななさんも、今何をやりたいかがわからない、自分らしくありたいんだけど、自分らしくないんじゃないか…という若者について
「その気持ちは十八才ぐらいまでで終わらせてほしいですね」。

そんな風に、ところどころ拍手喝采を送りたくなる痛快な発言もあり、読み終えて、心が瑞々しくなっているのを感じました。

四十代と七十代の対話で、しかも世間の『常識』と呼ばれるものからは相当突き抜けた感覚を持つお二人の話ですが、うーんと若い子に読ませてあげたくなる一冊でもあります。
自分が十代の頃、近くにこんなことを言ってくれる人がいてくれたら、すごく生きるのが楽だったろうなぁ、と。

本の扉には

賭けなきゃ。自分を投げ出さなきゃ、恋愛なんて始まらないじゃない。


という、敏子さんの言葉が抜粋されていました。


「あんなすばらしい人にすべりこみセーフで会えてよかった、私は幸運だった、そう思う。」
という思い、私も本当に同感です。

恋愛について、話しました。 恋愛について、話しました。





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最終更新日  2005.11.05 10:04:01
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