ミステリの部屋
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有栖川有栖の密室大図鑑でも紹介されている通り、密室ものとして有名な短編です。オーガスタス・S・F・X・ヴァン・ドゥーゼン教授は哲学博士や法学博士に医学博士など名前と肩書きでアルファベット26文字を使ってしまうと言われています。一日教えを受けただけで論理的思考を使ってチェスの世界チャンピォンに勝利したとき、驚いた相手は彼を「思考機械」という名前で呼びました。「不可能」ということばはないというのが口癖の博士に、同僚は「それでは堅牢な独房から脱出できるのか」という挑戦状をつきつけます。それを受けてたつ教授がどうやって頑丈で見張りのいる密室から脱出するのか、というのがこの話です。思考機械という名前は一度聞いたら忘れません。論理的思考があれば不可能はないと言い切る名探偵として華のあるキャラクターも好きです。純粋な謎解きの楽しさが味わえる作品だと思います。作者のジャック・フットレルはタイタニックの遭難事故に遭遇し、妻を救命艇に押しやったのち6篇の未発表原稿と共に海に沈んだ、というのも良く知られています。人間消失ミステリー: ジョン・ディクソン・カー /ジャック・フットレルなど
2005年05月10日
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