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2003年08月24日
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カテゴリ: カテゴリ未分類
街角が黄昏に包まれだしていた。私と彼女は、夕食をということでタクシーをひろった。程よい疲れがふたりをリラックスさせていた。タクシーは、長い坂道を軽快にくだっていった。私は、彼女の手をそっとにぎった。
 不運は、私たちの幸せに、激しく嫉妬するように襲ってきた。車が右に曲がって、加速した次の瞬間、激しい衝撃と恐ろしい音で二人の体を前のシートへ向けてたたきつけていた。一瞬なにが起きたかわからなかった。心臓が早鐘をうっていた。左腕に激痛が走っていた。一瞬気を失ったらしかった。だがすぐに
「大丈夫ですか」
わたしは、彼女にむかって日本語で何度も叫んでいた。彼女は、頭を抑えて私の方を見た。何が起きたのかのみこめていなかった。
ようやく、私が左腕をかばっているのに彼女が気付くと
「痛い?」
「少し」と私。顔が言葉とは裏腹にゆがんでいた。
「わたしは,あたま、少し」と彼女。
「ごめん」

「何で」
「俺のせいかも」
「違う」
彼女は、心配そうに私をみつめていた。
その時初めてタクシーが停車中の車に激突したのを知った。
救急車がこんなにも遅いのかと感じた。実際は7,8分だろうがこのときは、ゴムひもをイッパイに伸ばしたように間延びした時間があった。

病院に向かう救急車は、ややでこぼこの道を上下しながら走っていた。上下の振動のたびに左腕には、激痛が走った。

レントゲン室の女の技師が面倒くさそうに、ゼスチャーで指示をだしていた。それが終わると、待合のくたびれきった椅子に私と彼女は、腰をおろしていた。
どうやら彼女のほうは、大丈夫のようだ。アレだけの衝撃で運がいいのかもしれない。私のうっすらとした記憶には腕がぺちゃんこに押しつぶされたような感じをうけたのだったから
私は。出発前に母がそっと財布の中に入れていた御守りのことをおもいだしていた。

診察室にとうされた。背の高いハンサムな医師がわたしをみた。

レントゲン写真を見せられて腕の上のほうが骨折しているのがはっきりとわかった。彼女が私のそばによりそっていたがうまく説明できない。ただメスで切る格好をしきりとしていた。多分手術が必要といいたかったのだろうか
その医師は、やや困ったふうに首を横にふると、今度は英語ではなした。オペレーションという単語が耳に入ってきて私はやはり手術が必要なんだと思った。その時この前の通訳が、部屋にはいってきた。日本語だ。彼女が呼んだのだろう。いますぐ手術が必要だということを医師が告げていた。私は、動揺した。今すぐにでも日本に帰りたかった。しかし日本へ向かう飛行機は、3日後でなければなかった。
通訳が、応急処置をして日本に帰国後すぐ手術するようにという意味のことをいった。私は、少しほっとしたように彼女を見た。彼女は、いつの間にか私の右手をにぎりしめていた。






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最終更新日  2003年08月24日 21時30分25秒
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