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2003年09月26日
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カテゴリ: カテゴリ未分類
冬がやってきていた。しばらく友達のところにいるといっていた妻と再会することになった。やはり在留資格つまり配偶者ビザがとれないことで向こうの家族が疑念を抱いているということが分かった。彼女は、何かおもいつめているようであった。ともかく会うこと、そして出来る限りじっくりと話し合うこと。それしかなかった。私もつらかったが彼女はもっとつらいだろう。入国管理局にとっては、何万組の中の一組かもしれない。くやしさで胸が痛い。いつか、この悔しさを物語りにしようもちろん妻との関係が良い方に展開してのはなしだけれど。

体を丸めて歩く人々の吐く息が、暗くなりだした夜の街の光の中で浮かび上がっていた。
駅前に午後7時の待ち合わせ。妻との再会の時が近づいていた。もうすぐクリスマス。駅前には、大きなクリスマスツリーがカラフルな飾りをつけて飾られていた。腕時計をのぞくと7時30分を回っていた。そのときケイタイがなった。私が出ると妻からだった。少し遅れるとのこと。私は深くため息をついた。幸せそうなカップルがじゃれながら幸福そうな表情で通り過ぎていった。空気は、寒かった。手はもうかじかんでいた。ふっと熱い吐息を吹きかけた。
視線を上げた先に妻とその女友達らしい姿があった。私と妻はぎこちなく挨拶していた。まるで初めて出会ったように。
駅前の喫茶店に入った。妻の友達は、日本に8年くらい住んでいて旦那は日本人ということだった。
「どうしてなんでしようね」
妻の友達が話し始めた。
「ビザのことは、複雑なんで」
「フクザツ?」

「コンプリケート」
多分英語でそういった単語だったと思ってわたしが言うとわかったという風にうなずいた。
「でももしもう一度ビザだして、とれなかったらどうします」
そんなことは考えてもいなかった。
「大丈夫」
私は、言った。
「でももし」
妻の友達は、しつこく言った。
「あきらめない」
「でもあなたの奥さん精神的に大変」
そういわれるとそれ以上言葉がない。

妻の友達が言った。
妻は、だまったままだ。
負けたくないこんなことで。わたしは、唇をかみしめていた。
「神様が、だめだっていっているのかもしれない」
ぽつりと妻が言った。

「ただ、信じてくれとしかいえない」
わたしもそういうのがやっとだった。ふたりは出会ってはいけなかったのか?
運命のいたずらだったのか? いや?
「まだ、一緒に暮らせないわ」
妻が言った。わかっている。わたしはうなずいた。しかし瞳には、涙があふれ出てきていた。
「まだ終わったわけじゃない それにお互い嫌いになったわけじゃない」
わたしは、必死でそういった。妻も深く何度もうなずいていた。
窓の外を見ると、白いものがひらひらと無数に舞っていた。
その夜、東京は大雪にうずもれていた。







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最終更新日  2003年09月26日 05時38分56秒
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