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彼女は、、超スピードで日本語の単語をおぼえていった。しかし文法はめちゃくちゃだから一瞬意味が伝わらないこともあり誤解なんかもあることはあるがだいたいは、通ずる。電話が終わってはっきり意味がわからないでいる時に謎解きがはじまる。あれは、どういった意味なのか たとえば「子供、寝る、作る」といったことがあってすぐに電話が切れた。えつ?? 私は、助平な彼女を想像した。美人の仮面の下にいやらしい欲望がいっぱい 俺と同じか 波長があうってことかななどと鼻の下をのばした。しかしよく考えてみると 後で電話という言葉が最後についっていた。つまり子供を寝かしつけるので、後で電話してくださいという意味のことを言いたかったのだと思いしばらくして電話すると私は思いっきり赤面しなければならない羽目になっていた。私の推測通りだったから・・・ もちろんだれも見ていたわけでないけど・・私は乙女のように赤面していた。 いやそれはお酒のせいかもしれないけど。
日々の電話のやり取りは、想像以上に二人の気持ちを近づけていた。いよいよ彼女のパパとママそれに8歳の娘にあわなければならない。私は、覚悟を決めていた。
9月といえばロシアハバロフスクは、だいぶ涼しく、日陰などでは、寒くさえあるようだ。今度はイトーヨーカドーでなくて三越デパートとあたりでおしゃれなカーデガンでも買おう。心はすでにハバロフスクいや彼女の心の中に飛んでいた。
9月中旬、ハバロフスク空港で彼女と再会していた。映画の様に駆け寄り熱く抱擁しなかったが 空間に二人だけの世界があった。気恥ずかしかった。彼女のパパとママの家へ向かうタクシーの中でふたりは、押し黙っていた。窓の外には色づき出した木々の葉が秋の深まりを演出していた。「また会えたね」私が言うとあふれんばかりの笑みで顔を私の胸に沈めてきた。
タクシーで40分くらい走っただろうか。木々の向こうに巨大な団地群が姿をあらわしていた。6,7階は、あるだろう。
タクシーは。まだ舗装の行き届いていないでこぼこ道を土煙をあげながらそのうちの一棟の建物の前すべりこんでとまった。
彼女にうながされながら入り口を入ると壁にはおびただしい落書きがあった。またエレベーターは、故障しているらしく階段で5階まであがらなければならなかった。
ズドラストビッチェ(こんにちわ)単語を繰り返しつぶやいていた。
「ダイジョブ」
彼女がいった。
玄関を入り応接間にとうされて、私は目を丸くしていた。それというのも内装のきらびやかさに。ソファーや本棚、そしてシャンデリアどれもわが東京のマッチ箱のような私の家とは、比較にならなかった。すべての調度品が重厚ある気品と趣をもっていた。私はなめるように部屋の中をみまわしていた。
ふと気がつくと彼女とママがたっていた。
あわてて「ズドラ、スト、 ビッ・・チェ」とたどたどしく自信なさそうに言うと「ズドラストビッチェ」と笑顔にあふれた彼女のママは、ふくよか過ぎる大きな体を誇示するかのように立っていた。私は緊張のあまりその場にかたまっていた。
彼女のママは、ひとのよさそうな笑みでわたしをソファーに座るようにうながした。わたしは、多分困惑したようにソファーに腰を下ろしていた。ママの背後で小さな人影が動いた。ママのうしろから彼女の8才の女の子が恥ずかしそうに顔をだした。金髪のまるでお人形さんのようなかわいい女の子だった。すぐに彼女のママの背後に顔をかくした。
あとでパパがかえってきたら一緒に食事をしましょう。ということで彼女とママは、料理をつくりだしていた。
しばらくソファーでビールをのみながらくつろいでいると、何かの気配がして私がそちらに視線わ向けると白い猫が私をにらみつけていた。突然の闖入者に敵意をみせている。猫は、恫喝するように歩み出てきた。私が身を乗り出すと後ずさりした。その時彼女の娘が現れると猫を追い払おうとした。猫はいきなりその娘の足にかみついていた。
私が「あっ!」と声をあげると猫は、逃げていった。騒ぎに気付いて彼女が来た。猫が子供の足をとジェスチャーを交えて話すと
「靴下はいてるからだいじょぶ あれパパの猫」と彼女が言った
廊下の闇の中に猫の目が冷たくひかっていた。