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こけしと俳句 斎藤源吉・渡辺作蔵・小林光子
こけしに埋もれているような私の部屋であるが、意外にこけしの句は少ない。 2011 年の東日本大震災でこけし棚が崩壊、それを機会に、こけしを減らそうと決心したのだが実際には、ヤフオクに出品するために、こけしと触れる機会が増えて、欲しいこけしもあってかえって数は多くなっている。以下に私の実作をピックアップしてみた。
孫俳句・ペット俳句と同じように、好きなものマニアックなものの句は、あまり名句はないとされている。師の古沢太穂先生も、将棋では斎藤榮や団鬼六などと闘って文壇名人になったこともあるほどの腕前だったが、将棋の俳句は少ない。
こけし語りに七日正月集いいて( 1988 )松田ひろむ
いもうとのあれば雪間の一こけし( 1989 )
こけしの眼千日千句風花す( 1995 )
きかんきのこけしと妻とこぼれ雪
吹越しのこけし細目の風呂上がり
こぼれ雪待ちいて初湯木地師村
猫だけのこけし工房松飾り
梅雨こけし瞠きている妻寝息( 1999 )
こけしの眼かつ春塵のイラクの子( 2003 )
肘折のこけしに惚れて雪雫
鯨目のこけしたっぷり若葉風( 2009 )
地震三月こけし振り子を見つづけて( 2011 )
花水木こけし慕情の口結ぶ
こけし倒壊その後の夏が香らずに
いっせいにこけし崩れる金木犀
軒すずめ母なきあとのこけしたち( 2016 )
ときどきはこけし鼠鳴きやませ来る
鯨目のこけしが誘う浜祭
こけし工人の句
斎藤源吉 ( 1885-1964 )蔵王高湯系
借り衣を気にして歩く紅葉狩
かり衣の長し短かし寒の月
まま事にあきてこけしと添寝かな
渡辺作蔵 ( 1851-1929 )土湯系
梅咲くや寒くも朝の起きごころ
(『鴎座』 2019 年 9 月号より一部改訂)

33
㎝)
2011
年
8
月
19
日終了
46100
円で落札されたもの。
工人で本格的に俳句を作ったのは、小林定雄( 1933- )の妻、小林光子(てるこ)だろう。光子( 1934- )は、湯田で木地工場を経営していた小林光右衛門の孫。光右衛門長男の小林光一の長女で、自ら木地も挽けば、こけしの描彩も行っている。
句集は小林輝子名で『木地師妻』(
1977
年)、『人形笛』牧羊社
(1982
年
)
、『自註シリーズ小林輝子集』俳人協会(
1999
年)を出版している。結社は「風土」「草笛」「樹氷」に所属、俳人協会。< 夢の中まで雪降るや木地師妻>
は句碑になっている。
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