香りの小道


『指輪物語』の「王の帰還」を読むと、アラゴルンが〈王の葉〉という薬草でファラミアやエオウィンを治療している場面が出て来ます。

 彼は葉っぱを二枚取って両手にのせると、ふっと息を吹きかけ、それから揉みつぶしました。
すると、たちまち新鮮な生気が部屋にみちみちました。
あたかも空気それ自体が目覚めて打ち震え、喜びにきらめくかのようでした。
 それから彼はその葉っぱを、運ばれてきたいくつかの湯気の立ち昇る椀の中に投げ入れました。
すると、たちまちみんなは心が軽くなりました。


これって、アロマテラピーですよね。
十数年前の初読の頃には、私は、アロマテラピーのことは知りませんでした。

〈王の葉〉は中つ国に生えている架空の薬草ですが、トールキンが物語の中で描くくらい、イギリスの中ではアロマテラピーが日常の中で活用されていたのだろうと思います。

そして、何度目かに再読した時にアロマテラピーだと気付くというのは
その間に、日本にもかなり普及してきたということでしょう。


ところで、香りを鼻から吸入して神経や身体に働きかける方法を《芳香浴》といい、
アロマテラピーの中で最も簡単な方法です。
お湯の入った椀の中へハーブや精油を入れて、空間に香りを拡散させて取り入れる方法は、蒸気吸入といいます。


© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: