二代目のお嫁さんなり

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尾崎豊トリビュート「BLUE」


聞きたいような、そうじゃないような複雑の心境のままちょっと時間が経ってしまった。トリビュートブームのような所があって、そういうCDはたくさん出ているけれど、カヴァーしているアーティストが「よく知らないんです」なんて平気で言うので、何がトリビュートだよ!と反発したりして。

で、尾崎のトリビュート「BLUE」。
オリジナル作品に叶うものはどれもないけれど、プロデューサーである須藤晃氏の想いが深くて、このメンバーが尾崎を歌う、という事に意味があるんだなぁと思ってしまった。GREENが、新人アーティストを中心にしたアルバムなのに対し、BLUEは、活躍しているアーティスト中心のアルバム。宇多田ヒカル、槙原教之、橘いずみ、ミスチル、岡村靖幸など知られる名前が多い。
175Rがカヴァーした「17歳の地図」は、勢いがありすぎて尾崎の曲じゃないみたい。でも、こうして世代が変わって、アレンジが変わっても、曲の良さは全く失われない。そして、175Rらしい尾崎トリビュート。そう思うと、どの曲も、それぞれの想いがちゃんと入っていて、こうして尾崎の曲が歌い継がれる事に思いがけず涙がこぼれてしまった(でも、尾崎の事をよく知らないんです、と言いつつカヴァーしたアーティストの曲は、いまひとつだと思う)。

尾崎をリアルタイムで聞く事はもうない。尾崎は死んでしまった。

改めてその事実と向い合わざるをえなくて、切なさが募るアルバムだった。
それにしても、須藤氏が綴ったライナーノーツがすばらしい。どうしてこのアーティストにこの曲を歌ってほしかったのか。尾崎への愛情があふれていて、この人は、本当に尾崎といい仕事を続けてきたんだな、と実感。
ラストの曲は、尾崎の愛息が英語で朗読、須藤氏の息子がアレンジを担当した「15の夜」。わずか3年だったにしても、家族を持ち、幸せな日々を過ごせたのではないかと考えると、早すぎる死も少しだけ救われるような気がするのです。

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