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活性酸素と老化


 老化のフリーラジカル説は、1956年にアメリカのD・ハーマンが初めて提唱したのですが、その際、ハーマンは、もっぱら、放射線によって水から生じるヒドロキシラジカル(・OH)によるDNA障害を老化の原因として考えたので、フリーラジカル説と呼ばれました。
 最初この説は、なかなか学界に受け容れられなかったのですが、1969年に、スーパーオキシアドアニオンラジカル(O-・2)を消去するスーパーオキシドジムスターゼ(SOD)が発見されて、エネルギー代謝過程での酸素ラジカル生成の重要性がクローズアップされたことによってフリーラジカル説が広く注目され、支持されるようになりました。さらに。・OHや一重項酸素が細胞膜に障害を与えて生じる、過酸化脂質や過酸化脂質ラジカルも生体に有害な作用を及ぼすことがわかったため、これらを含めて老化と考えるようになり、最初にハーマンが唱えたより広い意味のフリーラジカル説に発展してきました。

●比代謝率当りのSOD活性と寿命の関係
 エネルギー代謝の過程(※)で、酸素は次々に4個の電子を受け取って水に還元されます。そしてその最初の還元段階でスーパーオキシアドアニオンラジカル(O-・2)が生成し、さらにこの酸素ラジカルを消去する酵素としてのSODという酵素があります。
 アメリカの国立老年学研究センターのR・D・カトラー博士が、1980年の論文で次のように発表しました。活性酸素の生成量、すなわちエネルギー代謝率当たりのSODの活性(単なるSOD活性ではなく)と寿命とを比べてみる必要がある。そして十数種の霊長類について肝臓、脳、心臓での比代謝率当りのSODと寿命を比べたところ、非常にきれいな対応(SOD活性が高いと寿命が長い)、つまり直線関係が得られたのです。
 カトラーたちのこの論文は、世界の研究者に大きな衝撃を与え、これによってSODの重要性が強く認識される一つの契機になりました。同時にこのことは、寿命や老化との関係で活性酸素の重要な役割が、大きくクローズアップされることになったのです。

(※)エネルギー代謝の大筋(電子伝達系でのエネルギー生成)
(1)生き物は食物を直接酸化しないで、たくさんの複雑な反応を経て、食 物から水素を取り出し、これをニコチンアミドアデニンジヌクレオチド  (NADH)の形で蓄え、これを利用してエネルギーを取り出すというこ とをしている。水素はプロトン(H+)と電子(-e)1個からできている ので、良い電子の供給源つまり電子供与体になるのです。
(2)生き物では、エネルギーを取り出す装置が細胞のミトコンドリアとい う小粒子の中にあって、食物から取り出した電子は、この装置に送り込ま れます。そして、そこでの電子の流れによってエネルギーが遊離されると いうことになります(高いエネルギー状態から徐々に低い状態に移行、そ の過程で少しず つエネルギーを放出する)。
(3)このようなミトコンドリアの中の電子の流れを支える装置ですが、こ れはいくつもの酸化還元酵素や生体成分が秩序正しく配列していまして、 これを電子伝達系、または呼吸鎖と呼んでいます。 

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