achromatic color

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*第二章* 四



やっと家に帰れる。

魁は大きなあくびをしながら廊下を歩いていた。
あのあと、5・6限目の授業は真面目に受けていたが、HRの後にやはり呼び出しをくらった。


「失礼します。」

職員室の扉を開けると、そこには俺が来るのを楽しみにしていたような顔で東ちゃんが座っていた。
この分だと今日もたっぷりと説教されることになりそうだ。

『何故、呼び出されたかはもうわかっているな?』

「はい・・・。」

『全くお前って奴は・・・いつもいつもそのさぼり癖をどーにかしろ!!』

「すみません・・。」

お決まりのパターンで始まった説教はこのあともあれこれと1時間程続き、やっとのことで俺は職員室から解放されたのだった。


ったく・・。
東ちゃんマジで説教長すぎだっつーの。

俺は心の中で愚痴をこぼしながら靴箱へと向かうところだった。

靴を履き替え外に出ると、7月だというのにもう空の色が変わり始めていた。


*第二章* 五へ

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