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2007年12月18日
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カテゴリ: 読んだ本
「不自由な心」


作者:白石一文

少し短めな小説が5本入っていた。1冊の本としては内容的にかなりのボリュームになっていると思う。大手企業のサラリーマンと女性にまつわる話の作品集。
重松とはまったくテイストが違うけれど、同じように自分の世代が主人公の作品ばかり。つまりどれもが40代前後の男性、それもサラリーマン、それもほとんどが営業畑という設定。子どもがいる、いないはあるけれどみんな結婚している。なんだかこれを読んでいると、男性は、結婚してからも女性関係があってもなんらおかしくない、と言われているような気がしてならない。
どの作品もそうなのだが、ほとんどが、結婚した後の女性関係に絡めた話になっている(そうでないのもないわけではないが)。やっぱりそれが当たり前ということ?そんな情景がここまで自然に書かれていると、それが当然のように感じさせられる。作者の文体がそう思わせるのか?
すべての作品の中で、「死」を見つめている。自分の死であったり家族の死であったり友人の死であったり。死を見つめるということは、イコール「生」について深く考えることにつながり、自分の人生を振り返ってみたり今のあり方を悩んだりする。淡々と日々の暮らしを描いているのに、思いテーマを背負っている。
でもその話を展開する人間関係としてどうしてそこまで“不倫”状態が必要なのかわからない。肉体関係にある(風俗などではない)ステディな女性が家庭の外にいて、その彼女の存在が、また彼の人生感に関わってくるのだけれど・・・ その女性の存在が後ろめたいとかそういう点で綾を織り成すのではなく、なんだか当たり前のように描かれている。それがどうしても私にはひっかかってしまった。もちろんそういう女性がいるという設定もありだと思う。でも全部の主人公にさも「そんなのフツー」のように描かれているのって・・・?
既婚女性としての感想は、せっかくの作者の人間観・人生観を伝えようとしている作品なのに、設定部分で作品に対する嫌悪感というか、そこまではなくても「なんだかなぁ」というイメージが、物語のすばらしさを阻害しているように思えてしまう。もったいない。






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Last updated  2007年12月27日 11時04分03秒
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