せび邸

せび邸

2005.09.11
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カテゴリ: 映画
「SF Short Films」という名前の映画です。

ネットでの評判はあまりよくない映画でしたが、私は好きでした。
千葉(というか房総?)という場所に東京を対比させながら語る作品なのだと思うのですが、解読出来る人が少なかったんでしょう。
映画全体に対してエビ9尾。。んーーいきすぎかなぁ。。8.5尾で。。汗

「RED SHADOW赤影」の安藤政信、「CASSHERN」の麻生久美子などが出てました。
古くて新しいことをやってたのかな、と思います。昔のフランス映画界にヌーベル・バーグというムーブメントがもたらした衝撃は、こんなカンジだったんじゃないかな、と思いました。これを見ると、映画というものがとっても身近なメディアに感じられます。
商業映画が命な人は、これを見るとたぶん腹を立てると思うので、見ないほうがいいです。
この映画は、見る側に「客」であることを求めていません。だから、「金払って見てんだから、楽しませやがれ」的なスタンスでこれを見ると、いわゆる「客」扱いはされないのでムカつくと思います。

支払うお金は、いわば「カンパ」です(笑)。
そういうスタンスでこれを見ると、けっこうサービス精神あるのがわかって、楽しめるんですがね。。


「RETURN」
立川空子(タチカワ・クウコと読む。麻生久美子)という不思議な名前の不思議な女の子の物語でした。舞台は東京ですが、このエピソードの最後でクーコちゃんは郷里の千葉(てゆーか房総?)に帰ることを決意します。東京の片隅で東京とは違うリズムで生きる人たちの物語だったのかもしれません。けっこうまったり見れて楽しかったです。タクシーの運転手のおじさんのキャラがナイスでした。クーコちゃんのおかあさんもナイスでした。監督は「赤影」の中野裕之。エビ7尾。


「県道スター」
「狂い咲きサンダーロード」はオートバイとロックの映画で、日本の音楽映画としてはけっこう高いレベルの映画だと私は思っているのですが、「県道スター」はバイクとテクノの映画で、これまたレベルの高い音楽映画的エピソードでした。
いやこれ、音楽映画というと語弊があるのかもしれません。けど、ここまで映像と音楽が融合していると、ほんとの意味での音楽映画ってのはこういう作品のことを言うんじゃないかって気がしました。
そして笑えますっ!! 最近見た映画の中でも一番笑えましたです。
監督はピエール瀧! 電気グルーブですっ。
舞台は房総。のこぎり山(笑)。
いや、ホントにそういう名前の山、あるんですよ? 鋸山、と書きます。

このエピソードの映画の中での役割は、千葉(てゆーか房総?)への導入部ということだと思います。


「ハナとオジサン」
美少女ハナと、彼女の父親らしきオジサンの交流を描く心温まる作品です。エビ8尾。
舞台はたぶん九十九里浜。波打ち際の風景がとても美しく撮れています。そしてラストシーンの優しさがサイコーです。監督は芹澤康久という人で、これが監督デビューのようです。
あぁ。。北村なんとかに映画撮らせる金があったら、その金でこの人に撮らせてあげてほしいです。。



監督はなんと安藤政信。えび9尾。
ものすごく見ごたえのある短編でした。
作品じたいが妻との楽しかった日々の思い出を収めた8ミリビデオの中身、という設定だったようです。エピソードの冒頭はモノクロで、夫らしき男性の手に握り締められた8ミリカセットが映し出されます。カセットには「Memory Of K」と手書きされています。Kと呼ばれる女性は麻生久美子が演じているので、たぶんクーコちゃんなのでしょう。素人のカメラワークをまねて撮っているのですが、かえってプロのものすごさを実感できる、というのもおもしろかったです。てゆーか、照明のあてかたがすでにプロですが。。

なんてゆーか、物づくりをする上でまっとうな感性はこういうものなんだろうなぁ、と、いうような、すがすがしさを感じました。その感性だけで15分間突っ走るという、綱渡りのような作品とも言えそうです。
風に乱れるKの前髪の揺れ方が、すでに映画なんですよね~
雲、夜の高速道路のネオン、夜明け、花火、Kが、セリフなしで映し出されていくだけなんですが、いいんですよ。。
やっぱねぇ、CGはいかんですよ。本物の美しい雲は、それだけで美しい映像になりますからねぇ。。美しいものって、案外身近にあるんですよねぇ。
作りこんで作りこんでいきながら、とっても身近に感じるエピソードでした。舞台はたぶん千葉のどっか。湾岸線か、その1本北の線かな。。
最後のエピソードを効果的に見せるためのエピソードです。
千葉(てゆーか房総?)=クーコちゃん、という図式が表現されとりますが、ここまで見ただけの印象では、先のエピソードの東京にいたクーコちゃんとのイメージのギャップが大きすぎて、「なんだろ、これ」と宙吊りにしとくしかないカンジかもです。


「仲良きことは良き事かな」
監督中野裕之。大竹まこと、斉木しげる、きたろうが出てました。舞台は東京。まぁ、フツーの変わった映画(?)に見えました。わるくはないですが、そもそもシティボーイズが好きじゃないので、エビ4尾。シティボーイズ・ファンの方、あしからず。て。。いるのか? うちに来てくれる人の中に。。
最後のエピソードで千葉(てゆーか房総?)をぞんぶんに語るため、対比として、東京の情景が置かれています。


「Slow is Beautiful」
監督中野裕之。麻生久美子が主演でした。故郷に戻ったクーコちゃんの1日を描いたまさにスローな作品でした。えび9尾。
おおげさに言いますとこのエピソードで、映画史における新しい千葉のイメージを打ち出すことに成功してました。千葉や埼玉は、東京に従属するベッドタウンまたは、都心近くの田舎町という描かれ方をされることがほとんどでしたが、このエピソードを見るとあなたの千葉観は確実に変わりますっ。
このゆるーいカンジはとってもいいです。
テイ・トウワの作った「Slow is Beautiful」という曲を作中で麻生久美子が歌います。






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Last updated  2005.09.15 10:25:55
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Comments

セビセビ @ Re[1]:元気です(06/17) blue rose2792さん あそことはまた別のあ…
blue rose2792 @ Re:元気です(06/17) それはなによりでした。 ほっといたしま…
セビセビ @ Re:やっぱり!?(01/22) せしるんさん おぉ。。 だいたひかる…
せしるん @ やっぱり!? 私も鳥居みゆきを見たとき、戸川純を思い…
セビセビ @ Re[1]:とあるプチ・オタの見たいもの探し(01/18) sally-1020さん ご無沙汰っす^^ 絶望…
sally-1020 @ Re:とあるプチ・オタの見たいもの探し(01/18) ご無沙汰しております。 先日は有難うご…

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