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なんちゃって妄想ワールド(War section)7
そこに、アイが入ってきた。
「お疲れ様。中尉をよく守ってくれたわね」
「いえ、僕が周りを警戒していれば・・・」
「でも、よかったわ。2人とも帰ってきてくれて」
アイは安堵の表情を見せた。
「あと、君が保護した捕虜の子の件なんだけど・・・」
「彼女が何か・・・?」
シュウは問いた。
「もうすぐ2週間経つわ。ドクターによるともうそろそろ記憶が戻ってもおかしくない頃合だって。何かの拍子に思い出してもおかしくはないわ」
「そうですか。どうします?」
「ロト少尉は早く牢に入れておけって云うんだけど」
シュウがいなかった時に起きた出来事を告げた。
「僕が最後まで面倒見ます。何かあった時は僕が」
シュウが最後まで云わないうちに、
「いいえ、これは本艦の責任者、私にも責任があるわ」
「みなまで云わないでください」
シュウはふと微笑んで云った。
一方フユツキではジンの容態が思わしくなかった。
「クッ、俺のせいで・・・」
トオルは自責の念でいっぱいだった。
「今はジンが無事出てくる事を祈ろう」
ビーはトオルを慰めた。
何故こいつは日頃嫌味ばかり云っている俺に優しくしてくれる?
不思議でならなかった。
そこにハウルとカズマがやって来て、
「招集です。隊長の部屋へ」
と云った。
「分かった。今行く」
ビーは答え、トオルと共にモノトーンの自室へ向かった。
4人はモノトーンの部屋に入り、整列した。
「あの艦はもうすぐ敵本国領海内へ入る」
4人は驚愕した。
自分たちが不甲斐なかったまでに。
自分を責め続けた。
「チャンスはあと1回といったところだな。ジン抜きでキツイとは思うが、頼んだぞ」
モノトーンからの最後通告のような命令を下され、4人は自分たちの不甲斐なさに腹を立てた。
「僕たちがしっかりしていなかったから・・・」
「マズいよな。次で沈めれなかったら」
「決めるしかないだろ、こうなった以上」
ハウル、トオル、カズマが自信をなくしかけていた時に、
「俺たちがそんなんでどうする。あれを沈めれるのは俺たちしかいないんだぞ」
とビーが云った。
確かに自分たちのような兵はいない。
しかし自分たちに出来るだろうか。
少年たちは不安に襲われた。
4人の少年は自機に乗り込み、出撃の時を待っていた。
「何が何でも沈めるぞ」
「分かっている。抜かるなよ」
「絶対に。あいつらも!」
「さぁ、いくぞ!!」
4人は勢いよく出撃した。
「敵機きます。機影4。ヤマト級、依然動く気配ありません」
エイトが告げる。
「中尉がいない分大変だと思うけど、頼むわよ」
アイはシュウとロトに激励した。
そして、2機は出撃した。
「ん?2機いつもと装備が違うぞ」
シュウは敵機の武装に気づいた。
カズマ機とビー機は対戦艦用重装備をしていた。
「戦艦目標にしてんだろ?あの2機は。先に堕とせばいいだけ」
ロトはいつも通りだった。
「ビーたちは何が何でも死守しますよ」
ハウルとトオルはビーたちの護衛だった。
自分たちが敵機を抑え、2機が戦艦を攻撃する。
「敵機来るぞ。ハウル!」
そう云うとトオルはあの孤島で見た敵兵の乗っていると思われる戦闘機目掛け機関砲を放った。
「あれは・・・あの時の奴か」
シュウも敵兵が誰か気づいた。
「クッ、あの2機を堕とさなきゃいけないのに」
トオルの機体が邪魔をして重装備の機体に照準を合わすことが出来ない。
今回は囮役のトオルは出来るだけ敵機を自機に引き付けるよう誘導した。
「あの黒い機体は・・・」
ハウルの前に見えていたのは初陣の時から1機だけ違う色をしている黒い機体。
それはロト機だった。
「気をつけろよ、ハウル。あいつは厄介だぞ」
ビーがハウルを気遣う。
「大丈夫です。何があってもビーたちを堕とさせはしません」
「すまない、頼んだぞ」
友人同士の会話。
こんな場所ではなく普通の生活の中でしたかった。
しかしそれを承知で戦火に身を投じた自分たち。
そんな事を考えていたビーはハッっと現実に戻される。
「来ます!ビーは隙を見て一気に!!」
「分かった。無事で・・・」
通信を切り、2人は戦闘に集中した。
「クソッ、堕ちろー!!」
ハウルは懸命に敵機目掛け攻撃をした。
しかし敵機は自分の事など見向きもせずビーの元へ突っ込んでいった。
「何ぃ!?」
自分をシカトした敵機に襲い掛かる。
「邪魔をしなければいいものを」
空中に円を描く様に1回転し、敵機の後ろにつけた。
「しまった!」
ハウルは懸命に回避しようとした。
しかし、弾が左翼にかすり、バランスが崩れた。
「うわぁぁぁ!!」
「ハウルッ!!」
ビーはハウルの事に気がいってしまった。
「もらった」
ロトはその隙を見逃さなかった。
冷静に照準を合わせ、機関砲を放とうとした。
その時コックピット内にアラームが鳴り響いた。
「ん?あいつ・・・」
ロトは仕留め損ねたかと思い、回避をしようとした。
しかし、弾を撃ってくる事もせず加速し、自機目掛けて敵機突っ込んできた。
「ビー、行って!!」
それがハウルの最後の言葉だった。
ハウルの機体はロト機に体当たりし、爆発した。
「ハ、ハウルゥゥゥゥゥ!!」
ビーは悲痛の叫びを出した。
しかし後戻りは出来ない。
彼の死を無駄に出来ない。
涙を流しながら敵戦艦へ向かってビーは空を駆けた。
ロトは自機の凄い衝撃、続いての爆発によって何が起こっているのか分からなかった。
唯一分かったのは明らかに機体は墜落していっている。
「マズいな。機体を破棄するしかないか」
脱出し、ロトは難を逃れた。
トオルは敵機を引き付ける事に成功すると共に、重装備機のカズマ機が敵戦艦へ向かうための道を開いた。
「頼んだぜ」
「任せておけ」
トオルの言葉にカズマは答えた。
その瞬間にハウル機が撃墜した。
「ハウルッ・・・!?」
トオルは絶句した。
シュウも撃墜された敵機を見て、何かを感じた。
孤島で戦った敵兵。
彼は自分と同じくらいの年齢だった。
そして今消えていった命・・・。
もしかしたらその人も・・・。
シュウは自分が戦っている事が苦しくなった。
その時、
「領海内にもうすぐ入るわ。帰艦して」
とポセイドンのアイからの知らせだった。
敵機は隙を見せている。
通り過ぎていったあの機体も止めなければ。
シュウは母艦へ向かった。
「2機、こちらへ向かっています!」
ユウが叫んだ。それを訊いてアイは、
「もうすぐ領海内に入るわ。それまで耐え抜いて!!」
そう。もうすぐ味方の陣地内に入れる。
そうなったら敵も追ってこれない。
アイは内心焦っていた。
領海内に入るのが先か、沈められるのが先か・・・。
「堕ちろぉぉぉ!!!」
ビーが対戦艦用ミサイルを放った。
「撃ち落として!」
ミサイルで応戦し、どうにかミサイルを撃ち落すことに成功した。
「これでっ!!」
続けてカズマが対戦艦用ミサイルを撃とうとした。
ここで撃たれたら沈む。
何故かとっさにアイは後ろを振り返った。
するとそこにはスゥの姿があった。
これしかない。
アイは決心し、
「SIRN艦ヤマト級及び空域の戦闘機に告ぐ」
ビーたちはいきなりの敵戦艦からの通信に戸惑った。
「現在、貴軍の兵士をさきの戦闘で保護した」
いきなり何を云いだすかと思えば。
モノトーンは馬鹿馬鹿しく思った。
「保護している兵士はスゥと名乗っている。以降本艦へ攻撃を加えられた場合、この兵士の保障は出来ない」
その名前を聞いてサミダレのジーク、そして3人の少年たちは唖然とした。
それだけではない。
スゥ・ウィンリンといえばSIRNの中でも優秀で、女兵士で若くしてあの地位に立ったという事で期待されていた。
それだけに、SIRNの兵士たちも驚いた。
重要な人材。
しかしモノトーンは、
「彼女も入隊をした時から覚悟は決めていただろう。その程度で我々は屈せんよ」
そう答えたモノトーンの言葉を取り消そうとするかの様に、カズマが、
「貴様らっ!卑怯だぞ、人質などっ!!」
と取り乱しながら云った。
同じ隊の仲間。
仲間を見殺しにする訳には。
その一心だった。
その声を訊いたスゥは、苦痛に満ちた声を上げ、その場に倒れた。
「どうしたの!?」
アイはとっさに駆け寄った。
そうこうしている内にポセイドンは領海内に入り、敵機は追ってこれなかった。
そこにジークが、
「貴公の用件は呑んだ。捕虜の釈放をしてもらうぞ」
と云った。
アイは倒れたスゥを抱きかかえ、デッキに向かった。
武装をしていない小型機にスゥを乗せ、モードを自動操縦に設定し、発進させた。
スゥは無事艦に戻り、即刻医療室へ入っていった。
スゥは無事に帰ってきた。
しかし、ハウルは死んだ。
カズマは嬉しい反面、仲間の死にショックを受けていた。
「あいつは・・・俺のせいで・・・」
ビーは責任を感じていた。
「何で、何であいつが死ななきゃいけないんだよ!俺たちの中でも1番若かったあいつがっ!クソッ」
トオルも壁に八つ当たりをしていた。
自分にはどうにも出来ない。
カズマは黙って座っていた。
ところ変わって、SIRNは何年も前から進めていた人間兵器の最終テストに入っていた。
「次が最終テストだ。しかしテストといっても敵基地へ侵攻する普通の任務と何ら変わらない。気をつけてくれ」
科学者に云われ、人間兵器と云われる少年たちと1人の成人が居た。
「最後のテストだってねぇ。これで終わりよ」
滑らかな口調で云ったのはフォビドゥンという黒髪の少年だった。
「こんなメンドくせぇ事さっさと終わらせちまおうぜ」
荒い口調で云ったのはフォビドゥン=ラズエル。
紫の髪の毛で、前髪の一部だけ白に染めていた。
「確かに面倒な。しかし任務は任務だ」
落ち着いた口調で喋ったのはフォビドゥン=アルミエル。
赤の髪の毛で前髪の一部のみ黄色に染めている。
「さぁ、行こうか」
4人の少年の内で一番しっかりしているのがフォビドゥン=ガルエル。
茶色の髪の毛で前髪の一部を灰色に染めている。
「・・・」
そして最後に1人年齢の離れた成人。
ガルー・ラ・バーン。
灰色の髪の毛で、常時腰に大剣を装備している。無口な男。
彼らが出撃して15分。侵攻された連合基地は壊滅された。
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