なんちゃって妄想ワールド(Repetition)19


もちろんセイントのクルーもだった。
自室へと戻ったショーイはいる物を取り、下船しようとしていた。
廊下でシュウの部屋の前を通った時、シュウの事が気になっていたショーイは部屋に入ってみた。
「シュウ、降りる…ぞ」
部屋の中には刀を出し、手で持って眺めているシュウの姿があった。
「お前、それを使うのか」
「俺は・・・出来る力を持っている」
シュウは本気で戦う気になっていた。
「そうか。それなら安心だよ、俺は」
シュウの実力は良く知っている。
だからショーイは安心した。
「だが、今までの愛刀は使わないのか?よりによってそれは」
シュウが持っていた刀は『天邪鬼』という妖刀だった。
足元には『餓鬼』と呼ばれる新しい刀も置いてある。
ショーイは天邪鬼の姿を以前に1度だけ見たことがあった。
奇妙な形をしているが、切れ味は鋭い。
妖刀と呼ばれるに合う刀だった。
「準備は早くしろよ。整備進まないしな」
そう云ってショーイは部屋を出た。

一方の連合基地にてライジンは補給及び修理を行っていた。
「いやぁ、参ったね。損傷が酷いわ」
整備士のトップの者がトミィに云う。
「結構時間見てもらわないと修理終わらせるの無理だよ、これ」
「分かりました」
ライジンはこの基地で長期滞在を余儀なくされた。
この基地は前連合本土。前大戦の最終決戦が行われた場所だった。
現在は主に研究施設として使用されている。
トミィがドックから施設の方にある歩いていっていると科学者が数名現れた。
「君の指揮下に戦気のなくなった者がいるな?うえからの命令でそいつをうちで預かる事になった」
突然の申し出に、トミィは困惑した。
「何ですか、急に」
「これは上官命令なのです。拒否権は君にはないそうだ」
そう云って彼らはライジンへ勝手に向かって行った。
トミィは彼らを追った。
「彼に何をしようというのですか!」
科学者たちに攻撃的に云った。
「そう熱くならないでください。戦意を取り戻させる為の治療ですよ」
艦内に乗り込んでフルのいる部屋を探し始めた。
そして、科学者たちはやっとフルを見つけた。
「何だよ、あんたたち・・・」
以前とは違い、活力のなくなったフルの姿がそこにあった。
抵抗もできないまま、フルは科学者たちに連れて行かれた。
トミィは必死に止めようとした。
が、上官の命令という言葉に脅され、止める事が出来なかった。
こいつらがまともな治療をするはずがない。
第一医者でもカウンセラーでも何でもないじゃないか。
それがトミィの頭の中で駆け巡っていた。

トミィの想った通り、科学者たちはフルを実験材料に使った。
それは、2年前にロトが使用した薬の完成版だった。
完成版といっても試作品。完全な物ではなかった。
動物実験では100%の確立で効果が認められ、後遺症は見られなかった。
それを目の当たりにしては、人で試してみたいと思わない訳がない。
2年前はやはり失敗だった。だが今度は成功させる。
科学者たちの欲望の渦にフルは飲み込まれていった。

なんちゃって妄想ワールド(Repetition)20

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