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2009年03月15日
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テーマ: たわごと(27805)
カテゴリ: カテゴリ未分類

自分は仕事場の鉄製のドアを開いて、たばこをくわえ、この空を見上げた。なんだか海の底みたいだ、と思った。それから海の底なんて数えられるくらいしか見たことはないのだし、そのどれとも違う空なのだから、なんでそんなふうに考えたのか。

まあどうでもいいことだけれど。

仕事関係の人が、国がらみの賞を受賞し、とある会合でそのことを話した。若いときには国家なんていうものは信じていなかったし、ああ、それはいまも信じていないんだけれど、これを受け取っておけば、われわれの仕事も少しはやりやすくなったりもするのかなあと考えたり、
その人はそんなふうに話した。

まあ、このように書けば、なんだかいやらしいようでもあるのだが、私より上の世代では、そのように考える人も少なくないし、実感としては理解した。
国とは、なにか抽象的なものではなくて、そこかしこにあるのだし、あるときには具体的に目の前に現出するものなのだ。恐怖をともなって。だから私はいやらしいとは感じなかった。その人はそうして受賞を喜んでもいる。なぜなら、それは矛盾ばかりだとしても、とにもかくにも長い時間をその仕事に費やして、情熱というべきほかにないものをつぎ込んできたのに違いないのだから。

「まあ、そういうわけだからさ、せいぜい利用してくれと、オレは思うよ」

それから一日もすると、その人の受賞の情報は、私たちの関わる仕事仲間に広まって、次々にお祝いの言葉がメーリングリストでかけめぐった。それらを眺めながら、そのひとつひとつの言葉に込められた思いなんてわかりはしないけれど、どういう言葉が似合うのか、ぼんやりと考えていた。そうして浮かんできたのは「他愛ない」という言葉だった。受賞した本人が内部に抱える分裂した思いとか、まあ、そんなふうに取り出してみるのも陳腐なんだけどさ、



なんとも恥ずかしいのだ、ハチロウくん、だからまだ、やめることはできないんだ。






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最終更新日  2009年03月15日 11時14分16秒 コメント(4) | コメントを書く


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