ひーちゃんのゼミナール 名古屋産業大学(現代ビジネス学科)・大学院環境マネジメント研究科)現代の社会・経済・環境・芸能・スポーツ・宇宙

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2019.08.03
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カテゴリ: 推理小説
お断り この推理小説はフィクションであり、登場人物と団体等は実在のものと一切関係がありません。

 藤堂麻里矢は、ホテルニューグランドで見たことを話した。
「実は、わたし、昨晩警部さんにお話しした赤い傘の人なんですが、ホテルで見たような気がするんです」
「気がするとは?」
 夏警部は興味を示した。
「はい、赤い傘を持った女性が、ホテルのロビーにいたのを思い出したのです。ほんの一瞬だったので自信がないのですが」
「何時ごろでしたか」
「ディナーショーの夕方の部が始まる前でしたから、午後4時前だったと思います」
「その女性の特徴は?」

「一人でしたか?」
「その時は、一人でした」
「その女性を見たのは、その時限りですか?」
「傘が印象的だったので、そのあと見ても分からないと思います」
「傘の目撃ですね」
「そうですね。お役にたちませんね」
「そんなことはありません。早速ホテルに問い合わせします」
といって、警部は同席していた女性警部補に合図をした。女性警部補は夏蜜柑といった。夏警部の娘だ。蜜柑警部補は席を立った。藤堂麻里矢は蜜柑とはまだ面識がなかった。

「ところで麻里矢さん、その節はお世話になりました」
「わたしの方こそ。警部のおかげで歌が歌えるようになりました」
「山梨玲子さんはお元気ですか?」


「警部、分かりました」
と言って、蜜柑が戻ってきた。
「ホテルのフロントで、赤い傘の泊まり客があったのを覚えています。傘が印象的だったそうです。でも、背の高い女性という以外は記憶がないそうです。部屋へ案内した男性スタッフと、朝食会場のスタッフに当たってくれていますので、追って連絡が来ると思います」
その時、蜜柑の携帯が鳴った。
「はい、そうです」

「予約は電話で申し込まれています。係りのスタッフも、背の高い女性という以外は記憶がないということでした。昨晩の事件の時刻に、鍵をフロントに預けた記録はないそうです。今日のチェックアウトは8時となっています。その時は赤い傘は持っていなかったそうです。以上です」
と、蜜柑は報告した。
「ありがとう。では早速防犯カメラのリレー捜査を始めてくれ」
警部は部下の蜜柑に命じた。
「おかげで犯人像に一歩近づきました。赤い傘の女性が鍵を握っています」
と言って、警部は麻里矢にお茶をすすめた。
「ところで麻里矢さん、久しぶりにお会いできたのが、こんな物騒な事件と重なって申し訳ないのですが、今晩お時間がおありでしたら、お食事でもいかがですか? 蜜柑が喜ぶと思うのです」
 警部はある算段を胸に言った。麻里矢は次のコンサートまでしばらく暇なので、申し出を受けて神奈川県警を出た。麻里矢の事務所は横浜駅の北にあった。

 約束の時間に、麻里矢と私立探偵の山梨玲子が、レストランに入ってきた。警部と蜜柑は、立ち上がって「ここです」と合図した。


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最終更新日  2021.07.01 13:19:01


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