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コメント新着
2016年04月28日
テーマ： ショートショート。(1084)
カテゴリ： カテゴリ未分類
「♪ババンバ バンバンバン」
風呂で体を洗いながら、いい気持ちで歌っている夢をみていると、
「♪あ、ビバノンノ」
合いの手が入った。
よこをみると、湯船にゆめ太郎が浸かっていた。あたまに濡れ手ぬぐいをのせて、あごまでお湯に浸かっている。
彼は七、八歳の子供で、夢のなかの住人だ。いろいろな人の夢をわたり歩いている。
たちまちわたしも、ちいさな子供になった。
『♪いっい湯っだっな ハハハン いっい湯っだっな ハハハン ゆ～げ～が～ て～んじょぅか～ら……』
陽気に合唱していると、最近気にかかっていることをおもいだした。
「なんだい、やっちん」
歌を中断されたことに嫌な顔ひとつせず、ゆめ太郎はこっちをみた。
「うちの飼い猫のニャケミが元気ないんだ。それで──」
「よーし」
ゆめ太郎がいきおいよく立ち上がると、かわいいチンポコが目の前にきた。
「ニャケミの夢のなかにいこう！」
「え、猫も夢をみるのかい？」
「そりゃそうさ。ときどき眠りながら笑ってるだろ」
「う、うん」
「あれはね、いい夢をみているところなんだよ」
「へえ」
ぼくの両手をにぎった。
「ドリーム、ドリクラ、ドリルルルゥー。ニャケミの夢のなかへ、ドリーム・イン！」
芝生の上。どこかの家の庭のようだ。
よこたわっている親猫のまわりで、五、六匹の子猫がはしゃぎまわっている。
（本文とは関係ないが、キャットフードが雪のように降っている）。
「そのようだね、やっちん。って、なんだよそのかっこう。猫じゃん」
「うひゃああ、そういうゆめ太郎も猫だよ」
ふたりとも猫になっていた。ぼくは白黒茶のぶち、ゆめ太郎は真っ黒だ。
「やーいやーい、ニャン太郎」
「うるさい！ にゃっちん」
「わっ、痛てててて。ひっかくなよ。ふざけてる場合じゃないよ」
「あ、ごめん。ゆるせ、にゃっちん」
「ほら、ニャケミをみなよ。楽しそうにあそんでいるよ」
「そうだな。かあちゃんや兄弟のことが、ずっと忘れられないんだな」
「それで最近元気がないのか」
「たぶんな」
「おい、ニャン太郎。なんとかしろ！」
「な、なんだよとつぜん、おっきい声だすなよ」
「たのむ。なんとかしてくれ。ほら、ほらほらほらあ」
「わああ、押すなって、こら、押すなよお。や、ややや。ニャケミにみつかっちゃった。こっちにくるぞ」
ニャゴオオオ、ニャニャゴオオ……
「なんだかあまえた鳴き声だぞ、ニャン太郎」
ニャゴオオオ、ニャニャゴオオ……
「わ、あっちいけ。きもちわる～い。く、くるな、くるなよ、おい。ふにゃああ、くびすじ舐められたあ。ざらざらしてるう」
「惚れられたな、ニャン太郎。こいつこいつこいつぅー！」
「冗談じゃないぞお。ひゃああ、体くっつけるなって。や、やめろおお」
「あ、ニャン太郎。逃げるなよ、おい、おーい、待てよ、待てったらああ」
「にゃっちん、ニャケミはもうだいじょうぶだあ。親離れしたよ」
「きみのおかげで発情したんだね。えへへ、さかりってやつだね」
「そ、そうだよ。わああ、まだ追っかけてくるう」
「それに比べて人間ってやつは、いつまで経っても親離れしない。ああ、猫のほうがりっぱだなあ」
「なにぶつぶつ言ってんだよ。帰るぜ、にゃっちん」
「おう、ニャン太郎」
「ドリーム、ドリクラ、ドリルルルゥー。にゃっちんの……もとへ、やっちんの夢のなかへ、ドリーム・イン！」
風呂で、椅子にむこうむきで座っているゆめ太郎。
「いやあ、おつかれさまです。お背中お流しします、ニャン太郎どの」
「ゆめ太郎だって。からかうなよ、にゃっちん」
<ほっと一句>
雨降って水遣りしない草木かな
あ～あ、行ってくっかな、病院。
風呂で体を洗いながら、いい気持ちで歌っている夢をみていると、
「♪あ、ビバノンノ」
合いの手が入った。
よこをみると、湯船にゆめ太郎が浸かっていた。あたまに濡れ手ぬぐいをのせて、あごまでお湯に浸かっている。
彼は七、八歳の子供で、夢のなかの住人だ。いろいろな人の夢をわたり歩いている。
たちまちわたしも、ちいさな子供になった。
『♪いっい湯っだっな ハハハン いっい湯っだっな ハハハン ゆ～げ～が～ て～んじょぅか～ら……』
陽気に合唱していると、最近気にかかっていることをおもいだした。
「なんだい、やっちん」
歌を中断されたことに嫌な顔ひとつせず、ゆめ太郎はこっちをみた。
「うちの飼い猫のニャケミが元気ないんだ。それで──」
「よーし」
ゆめ太郎がいきおいよく立ち上がると、かわいいチンポコが目の前にきた。
「ニャケミの夢のなかにいこう！」
「え、猫も夢をみるのかい？」
「そりゃそうさ。ときどき眠りながら笑ってるだろ」
「う、うん」
「あれはね、いい夢をみているところなんだよ」
「へえ」
ぼくの両手をにぎった。
「ドリーム、ドリクラ、ドリルルルゥー。ニャケミの夢のなかへ、ドリーム・イン！」
芝生の上。どこかの家の庭のようだ。
よこたわっている親猫のまわりで、五、六匹の子猫がはしゃぎまわっている。
（本文とは関係ないが、キャットフードが雪のように降っている）。
「そのようだね、やっちん。って、なんだよそのかっこう。猫じゃん」
「うひゃああ、そういうゆめ太郎も猫だよ」
ふたりとも猫になっていた。ぼくは白黒茶のぶち、ゆめ太郎は真っ黒だ。
「やーいやーい、ニャン太郎」
「うるさい！ にゃっちん」
「わっ、痛てててて。ひっかくなよ。ふざけてる場合じゃないよ」
「あ、ごめん。ゆるせ、にゃっちん」
「ほら、ニャケミをみなよ。楽しそうにあそんでいるよ」
「そうだな。かあちゃんや兄弟のことが、ずっと忘れられないんだな」
「それで最近元気がないのか」
「たぶんな」
「おい、ニャン太郎。なんとかしろ！」
「な、なんだよとつぜん、おっきい声だすなよ」
「たのむ。なんとかしてくれ。ほら、ほらほらほらあ」
「わああ、押すなって、こら、押すなよお。や、ややや。ニャケミにみつかっちゃった。こっちにくるぞ」
ニャゴオオオ、ニャニャゴオオ……
「なんだかあまえた鳴き声だぞ、ニャン太郎」
ニャゴオオオ、ニャニャゴオオ……
「わ、あっちいけ。きもちわる～い。く、くるな、くるなよ、おい。ふにゃああ、くびすじ舐められたあ。ざらざらしてるう」
「惚れられたな、ニャン太郎。こいつこいつこいつぅー！」
「冗談じゃないぞお。ひゃああ、体くっつけるなって。や、やめろおお」
「あ、ニャン太郎。逃げるなよ、おい、おーい、待てよ、待てったらああ」
「にゃっちん、ニャケミはもうだいじょうぶだあ。親離れしたよ」
「きみのおかげで発情したんだね。えへへ、さかりってやつだね」
「そ、そうだよ。わああ、まだ追っかけてくるう」
「それに比べて人間ってやつは、いつまで経っても親離れしない。ああ、猫のほうがりっぱだなあ」
「なにぶつぶつ言ってんだよ。帰るぜ、にゃっちん」
「おう、ニャン太郎」
「ドリーム、ドリクラ、ドリルルルゥー。にゃっちんの……もとへ、やっちんの夢のなかへ、ドリーム・イン！」
風呂で、椅子にむこうむきで座っているゆめ太郎。
「いやあ、おつかれさまです。お背中お流しします、ニャン太郎どの」
「ゆめ太郎だって。からかうなよ、にゃっちん」
<ほっと一句>
雨降って水遣りしない草木かな
あ～あ、行ってくっかな、病院。
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Re:ゆめ太郎３(04/28)
teapotto
さん
Re:ゆめ太郎３(04/28)
ブヨミ
さん
Re[1]:ゆめ太郎３(04/28)
せいやんせいやん
さん
teapottoさん
＞夢の中に・・
＞私の夢は
＞変な夢ばっかり
＞見られたくないなぁ・・
＞o(*^▽^*)oあはっ♪
-----
変な夢もなかなか味がありますよ。
(2016年04月28日 16時26分05秒)
＞夢の中に・・
＞私の夢は
＞変な夢ばっかり
＞見られたくないなぁ・・
＞o(*^▽^*)oあはっ♪
-----
変な夢もなかなか味がありますよ。
(2016年04月28日 16時26分05秒)
Re[1]:ゆめ太郎３(04/28)
せいやんせいやん
さん
ブヨミさん
＞ゆめ太郎がいてくれたら、私のお風呂タイムも楽しくなりそうです♪
＞
＞毎日、お父様のお見舞い、お疲れ様です＾＾
-----
どうもです。
きょうは爪を切ってきました。
(2016年04月28日 16時26分48秒)
＞ゆめ太郎がいてくれたら、私のお風呂タイムも楽しくなりそうです♪
＞
＞毎日、お父様のお見舞い、お疲れ様です＾＾
-----
どうもです。
きょうは爪を切ってきました。
(2016年04月28日 16時26分48秒)
Re:ゆめ太郎３(04/28)
Jianai0923★
さん
私の夢の中に・・・
すてきな王子様が・・・なんて、言っている場合ではないですが。
親離れも、子離れも、師弟、兄弟色々
離れないのが人間なのかしら？？
病院、お疲れ様です。 (2016年04月28日 18時24分21秒)
すてきな王子様が・・・なんて、言っている場合ではないですが。
親離れも、子離れも、師弟、兄弟色々
離れないのが人間なのかしら？？
病院、お疲れ様です。 (2016年04月28日 18時24分21秒)
Re:ゆめ太郎３(04/28)
エンスト新
さん
猫はしっかり見ているぞですね。
(2016年04月28日 19時29分07秒)
Re[1]:ゆめ太郎３(04/28)
せいやんせいやん
さん
Jianai0923★さん
＞私の夢の中に・・・
＞すてきな王子様が・・・なんて、言っている場合ではないですが。
＞親離れも、子離れも、師弟、兄弟色々
＞離れないのが人間なのかしら？？
＞
＞病院、お疲れ様です。
-----
なかなか人間はしがらみがあって、むずかしいですねえ。
(2016年04月29日 05時05分11秒)
＞私の夢の中に・・・
＞すてきな王子様が・・・なんて、言っている場合ではないですが。
＞親離れも、子離れも、師弟、兄弟色々
＞離れないのが人間なのかしら？？
＞
＞病院、お疲れ様です。
-----
なかなか人間はしがらみがあって、むずかしいですねえ。
(2016年04月29日 05時05分11秒)
Re[1]:ゆめ太郎３(04/28)
せいやんせいやん
さん
Re:ゆめ太郎３(04/28)
宮じいさん
さん
おはようございます。いい夢を
見たいものです。
今朝の名古屋は雲が多いが、ま
あまあのお天気です。
最低気温10℃、最高気温は18℃
止まりです。花冷えといった感
じです。
では、今日もよい一日をお過ご
し下さい。
応援感謝。
(2016年04月29日 05時34分05秒)
見たいものです。
今朝の名古屋は雲が多いが、ま
あまあのお天気です。
最低気温10℃、最高気温は18℃
止まりです。花冷えといった感
じです。
では、今日もよい一日をお過ご
し下さい。
応援感謝。
(2016年04月29日 05時34分05秒)
Re[1]:ゆめ太郎３(04/28)
せいやんせいやん
さん
宮じいさんさん
＞おはようございます。いい夢を
＞見たいものです。
＞
＞今朝の名古屋は雲が多いが、ま
＞あまあのお天気です。
＞
＞最低気温10℃、最高気温は18℃
＞止まりです。花冷えといった感
＞じです。
＞
＞では、今日もよい一日をお過ご
＞し下さい。
＞
＞応援感謝。
＞
-----
おはようございます。
こちらは晴れてます。
お体ご自愛下さい。
よい一日をお過ごしください。
(2016年04月29日 06時54分52秒)
＞おはようございます。いい夢を
＞見たいものです。
＞
＞今朝の名古屋は雲が多いが、ま
＞あまあのお天気です。
＞
＞最低気温10℃、最高気温は18℃
＞止まりです。花冷えといった感
＞じです。
＞
＞では、今日もよい一日をお過ご
＞し下さい。
＞
＞応援感謝。
＞
-----
おはようございます。
こちらは晴れてます。
お体ご自愛下さい。
よい一日をお過ごしください。
(2016年04月29日 06時54分52秒)
Re:ゆめ太郎３(04/28)
pluto2103
さん
「吾輩は猫である」を読み返しています。昔は面白くないと
途中で放り出したが・・けっこうはまりました。
歳をとり、そこそこの経験をすると古典といわれるものに
魅力を感じるときがあります。
(2016年04月29日 13時29分45秒)
途中で放り出したが・・けっこうはまりました。
歳をとり、そこそこの経験をすると古典といわれるものに
魅力を感じるときがあります。
(2016年04月29日 13時29分45秒)
Re[1]:ゆめ太郎３(04/28)
せいやんせいやん
さん
pluto2103さん
＞「吾輩は猫である」を読み返しています。昔は面白くないと
＞途中で放り出したが・・けっこうはまりました。
＞歳をとり、そこそこの経験をすると古典といわれるものに
＞魅力を感じるときがあります。
＞
-----
古典には味わい深いものがありますねえ。
さすが文豪です。
(2016年04月29日 16時33分52秒)
＞「吾輩は猫である」を読み返しています。昔は面白くないと
＞途中で放り出したが・・けっこうはまりました。
＞歳をとり、そこそこの経験をすると古典といわれるものに
＞魅力を感じるときがあります。
＞
-----
古典には味わい深いものがありますねえ。
さすが文豪です。
(2016年04月29日 16時33分52秒)
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