シンガポールでサバイバル

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ゆえじ

ゆえじ

2008.01.04
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カテゴリ: 旅する

前回までのあらすじ

中華系ファミリーに愚弄されるインド娘。

その現場を目撃したゆえじがとった行動とは???

感動と涙の最終章。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

中指を突き立てる中華系父。

何のことか分からず、楽しそうに遊ぶインド娘。

凍りつく私。

私の視線と、中華系父の視線が絡み合う。

私は、凍りついたまま。

そして、彼もまた

凍りつく。

そして

私は、ゆっくりと

視線を、

外す。

中華系父もまた

ゆっくりと視線を

落とす。

機内のシートベルトサインが点灯する。

まもなく、香港に到着する。

はす向かいに、真っ赤な口紅を塗った

客室乗務員が座る。

彼女は笑顔でインド人ファミリーと私に話しかける。

「あなた、よかったわね。こんなに親切な人が隣に座ってくれて。

この便は忙しいから、私たち客室乗務員もなかなかお手伝いできなくて

心苦しいわ。でも、このレディのような人がいてくれると、本当に

私たちもうれしい。べいびぃ。素敵なジャパニーズレディに

ありがといいなさいね」

それを聞いて、インド母は

「まあ。日本の方でしたか。てっきりシンガポールの方かと。本当に

ありがとうございました」

客室乗務員はこう続ける。

「お客様の中には、色々抱えて空を飛んでる人がいる。

仕事がうまくいかなかったり。不幸があって、絶望している人もいる。

子どもがうるさいって思う人もたくさんいるし、その理由も分かるの。

でもね。そこで、人の価値って分かるのよ。

私たちには、分かるの。」

そういって、その中華系の客室乗務員は、私に微笑む。

私は、照れるやらばつが悪いやら。

ふと視線に気づく。

中華系父からの。

彼が、

私を見ていた。

まっすぐな瞳で見ていた。

私は、その視線からまた

目をそらす。

「それにしても、あなたもよくやったわね。シンガポールから香港まで、たった一人で

子どもを2人つれてフライトするなんて。」と私はインド母に言う。

すると客室乗務員は

「なにいってるのよ!彼女は、インドからシンガポールに飛んで、シンガポールから

香港に飛んで、そこから、シドニーに飛ぶのよ!」

「ぱ、ぱーどぅん????」

母は飛ぶ。インドからシンガポール。シンガポールから香港。香港からシドニーへ。

ベビーはついていく。限りない数のミールを食べ、ダディ、ダディと何回も叫びながら。

限られた旅費を節約するために、経由便に経由便を重ねて。

タッチダウン。

私はカーディガンを羽織って、ベイビーを今一度抱き上げる。

「ダディという言葉が、何を意味するのか、分かるといいね。バイバイ」

私は心の中でつぶやく。

インドファミリーと別れを告げ、私は一人

機内を後にした。

英語と、普通語と、広東語のアナウンスを全身にいっぱい浴びながら。

完 






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Last updated  2008.01.05 03:44:56
コメント(6) | コメントを書く


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Re:三十路女子@シンガポール インドファミリーとの別れ 最終章(01/04)  
はぁー
お疲れ様でございます

中華系父、客室乗務員さんとの会話が聞こえてたんだろうか?
何か感じるところがあればいいんだけどねぇ
こういう人はなかなか人の意見には耳をかさないから無理だろうねぇ。

それにしてもインド母大変だぁ
まだまだ彼女らのフライトの度は続くんだねぇ
人生、長いのぉ(←意味不明) (2008.01.05 12:50:12)

Re[1]:三十路女子@シンガポール インドファミリーとの別れ 最終章(01/04)  
ゆえじ  さん
めぐりん810さん

人生長いっっすよね・・・(意味不明同じく)

中華系父、聞こえてたと思うんですよね。
罪悪感を感じている、と思いたいですね。

こういう民族間の忌みあいっていうのは、
シンガポールでは表立ってすることは
非常に危険なことです。多民族国家ですから。
だからいつもみんな普通にやってるように
見えるのですね。
けれど、こういうことってなくならないのですね。

インドファミリーよ、がんばれだわ・・・ (2008.01.05 14:15:16)

Re:三十路女子@シンガポール インドファミリーとの別れ 最終章(01/04)  
パチパチパチ!
ブラボー!!
素敵なジャパニーズレディのゆえじ様、大活躍でしたね。

ところで、この日はなぜ奇跡的にご機嫌がうるわしかったのでございましょう?
天使様がお側についてたのでしょうか?

(2008.01.05 16:36:09)

Re[1]:三十路女子@シンガポール インドファミリーとの別れ 最終章(01/04)  
ゆえじ  さん
パラダイス1111さん

ご機嫌がよかったのは、無理な時間帯の便じゃなかったからだと思いますわ。
早朝便やら、深夜便だと、疲れちゃうでございましょう?

(2008.01.05 21:49:52)

シリーズを  
yumogu さん
一気読みしました。

元来子供が苦手な私。飛行機の中は最たるもの。
でも、それでも飛ばなければならない人もいるのでしょう。
自分もいつか、そういう立場になって分かるのでしょうか。


赤子しかるな 来た道だもの
老人しかるな 行く道だもの

だっけな??
なんだか、そんな言葉がありました。 (2008.01.09 00:32:05)

Re:シリーズを(01/04)  
ゆえじ  さん
yumoguさん

当ブログ初の長編、ご愛読くださり、ありがとうございました。

いい言葉ですね。
本当にそうなのですよね。普段の私にはミミが痛いです。常にこうありたい、とは思っても、自分の調子でやっぱり許せない、と思うときもありますものね。
(2008.01.09 00:37:39)

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