戦国ジジイ・りりのブログ

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2015年05月30日
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カテゴリ: 旅日記(近畿)
ちょっと一息入れましょう。

恵心僧都源信の歴バナはもう少し続けるつもりなので、
横川を出るまでに200話を突破しそうですが、
仏教史というのは勉強すれば勉強するほど色んなことが理解できるようになるので
面白くてたまりません。

わたくしが『往生要集』を読んだのは、

「源信を書くなら『往生要集』ぐらい読まねば
話になるまい」


という単純な理由からでしたが、
源信の訴えたかったことをろくに理解はできなくても、
読み終えてみると実に多くのことがわかるようになっていたので、自分でも驚きました。


ほとんど見えていなかったのが、何かを学ぶたびに一つ一つ膜がはがれて
視界がクリアになっていくような感じ。

言葉ひとつ取っても、ああ、この言葉は仏教から来ていたのかって思うことは何度もあったし、
その他の日本人の慣習や考え方も色々わかるようになりました。

「日本から仏教を取り去ったら何も残らない」という世間で言われる言葉を
肌で実感しているのがわたくしの現状です。


六星占術で天王星人(-)のわたくしは毎年4月~6月が大殺界で
去年骨折した のもこの期間中(あと1週間で骨折記念日から1周年を迎えます)で、
毎年この時期はホントにロクなことがないんですが、
今年は去年なんかと比べて仏教を少し学んだせいか個人的にはずいぶん楽・・・

が、ツイッターで「露出狂」と言われたわたくしでも

近年そうしたことはいくつかありましたが、
今年の大殺界でもまったく書く気の起こらなかった大事件が発生しまして、
参りました。

それとの関連で金光明最勝王経の暗記を一旦中断して
急遽追善供養に読む「回向文」を先日覚えたのですが、

天台バージョンの回向文を覚えて毎日唱えてます。

勤行式の回向文には現代語訳は付いていないので、
たぶん『往生要集』を読まなかったらこの回向文をただ覚えるだけだったでしょうが、
ちょうど源信に関連して浄土教関係の勉強をしていた時期と重なったこともあり、
回向文で死者になにを語りかけているのかがわかってしまいました。

仏教の知識がなくても、ここまでを読んできてくださった方も
何を言ってるのか感覚的にわかるんじゃないかと思いますので、
天台宗の回向文全文を勤行式から紹介しましょう。


南無帰命頂礼大恩教主釈迦牟尼如来。
   なむきみょうちょうらいだいおんきょうしゅしゃかむににょらい
 南無西方極楽世界来迎願王本師阿弥陀如来。
   なむさいほうごくらくせかいらいごうがんのうほんしあみだにょらい
 南無六方恒沙證誠諸佛。
   なむろっぽうごうじゃしょうじょうしょぶつ
 南無平等大會一乗妙法蓮華経。
   なむびょうだいえいちじょうみょうほうれんげきょう
 南無大悲観世音菩薩。
   なむだいひかんぜおんぼさつ
 南無大智大勢至菩薩。
   なむだいちだいせいしぼさつ
 南無六道能化地蔵菩薩。
   なむろくどうのうけじぞうぼさつ
 五五聖衆清浄大海衆等會。
   ごごのしょうじゅうしょうじょうだいかいしゅとうえ
 哀愍護念。
   あいみんごねん

 願以上来。至心回向。
   がんにじょうらい。ししんえこう。
 常住三宝。及極楽界。
   じょうじゅうさんぽう。ぎゅうごくらくかい。
 所修功徳。念仏誦経一會。
   しょしょうくどく。ねんぶつじゅきょういちえ。
 白善施主(○○)奉回向聖霊(××)霊位
   びゃくぜんのせしゅは○○えこうしたてまつるしょうれいは××霊位
 追善供養。仏果増進。
   ついぜんくよう。ぶっかぞうしん。
 往生極楽。上品蓮台。
   おうじょうごくらく。じょうぼんれんだい。
 無作行願。永不退転。
   むさぎょうがん。ようふたいてん。
 遊化法界。平等利益。
   ゆげほうかい。びょうどうりやく。

 總三界萬霊。有縁無縁。
   そうじてはさんがいばんれい。うえんむえん。
 怨親平等。出離生死。
   おんしんびょうどう。しゅつりしょうじ。
 頓證菩提如来大慈悲。哀愍護念。
   とんしょうぼだいにょらいだいじひ。あいみんごねん。


ね、なんとなくでも結構わかるでしょ?

観世音菩薩と勢至菩薩は阿弥陀様の来迎パレードに必ず随行する菩薩で、
お地蔵様は地獄の果てまでも現れて衆生を救って下さるという慈悲の菩薩。
「六方恒沙」はガンジス河の砂つぶほどの数の各方面の仏という意味で、
阿弥陀様の来迎パレードを中心に、念仏の功徳によって
西方極楽浄土の上品へ往生させてくれるよう、
諸仏にお願いをしている願文だったんです。
ここに妙法蓮華経(法華経)が入ってるのがいかにも天台らしいけどね。

同じ仏教徒でも宗派によっては往生を願う浄土は違うので
宗派による回向文もまた色々と違うんでしょうが、
浄土系宗派ならこれと似たようなものなんじゃないのかな。
中には本来的に往生する浄土を持たない宗派もあるので、
そういう宗派ではどういう供養文を読むのか興味もありますが、
あまりそういう厳格なことを言っていたら「葬式仏教」の時代じゃやっていけないので
それなりの文章が編まれているかもしれないな。

今年のお盆ではまた巣鴨の仏具やさんに寄るつもりなので、
各宗派の勤行式も見てこようっと


さて先日、TVでクイズ番組だか何かを見ていた時のこと。
うちの母親は時代劇や大河も観るし、時代小説なんかも好きなので
いくらブッチー(仏教オンチ:わたくしの造語)といえど
お祖師や有名どころの総本山などのそこそこの知識ぐらいはあるかと思っていたら、
基礎知識すら全くなかったのでこちらの方がびっくりしました。

「うちは何宗ですか?」

「浄土宗です」

「浄土宗を開いたのは誰か知っていますか?」

「ええ~・・・わかんない」

「法然さんね。浄土真宗は親鸞。
親鸞さんは法然さんの弟子だよ」


「ほうねん・・・」

「浄土宗ではどの仏さまを祀るか知ってますか?」

「えっ・・・お釈迦様?
阿弥陀様じゃないでしょ、え~とあとは・・・
わかんない!!」


古くからの慣習が残っている地方や祖父母の代が熱心な仏教徒ででもあれば、
若い人でも自分ちの宗派の基本的なことぐらいは知ってるんでしょうが、
一般的なブッチーの現代人はまあこんなもんでしょう。

かくいうわたくしだって、ほんの3~4年前ぐらいまでは

「うちって浄土宗だっけ?真宗だっけ?」

って毎回母親に聞いていたぐらいの立派なブッチーでした。
まあ、母親は嫁に来るまでは池上本門寺(東京都大田区)のおひざ元で育ったどんつく娘で、
浄土宗の家に嫁に来ただけなので浄土宗に関する知識がないのも
無理のない話だとは思いますが、それにしたってちょっとこれはあんまりだ

そのくせ、TVに天台関係の何かが映るとわたくしがそれに食いつくのが気に入らないらしく、
先日も真顔で

「なんでうちは浄土宗なのに天台天台っていうわけ?」

と言われました。

「いや、日光には前々から通ってたし、
気がついたら天台との縁がいっぱいあっただけで・・・」


と言っても憮然としているので、浄土宗のジの字も知らないブッチーが
何を言うかとおかしくなりましたが、

「法然とかの新仏教のお祖師たちも、みんな天台出身なんだよ。
比叡山から出てる人たちだから、天台も浄土宗も
兄弟みたいなもんだよ。
天台宗は最澄ね。」


「でもお経だって違うのに・・・。
天台宗のお墓に入るんじゃないでしょうね」


わたくしが以前、寛永寺の永代供養墓に入ろうかなと言ってたことをまだ覚えてるのか
それにしても、この一連の会話で一般的なブッチーの
基本的な誤解というのがわかりました。
あまりに基本的なことなのでこれまで書いたことはありませんが、
「仏教よくわっかりましぇ~ん」なブッチーの方のために
わたくし流に簡単に説明してみますと、
まず仏教はバイキング(食べる方)だと思ってください。

何千とあるお経はすべてお釈迦様の死後に書かれたもの。
ここは最初の方の仏バナでも書いたからいいよね。

先日とあるお経を調べている時、一切経のタイトルだけを網羅したページを
ウィキペディアで見つけましたが、お経のタイトルってのはよくできたもんで
大体どんなテーマのお経なのかが一目でわかる。
で、「うわ~、このお経、読みた~い!」ってのも沢山あったのですが、
「こんなのまで出てるのか」と思うものも沢山あった。

それだけ膨大な数と内容のお経が仏教界で生み出された訳ですが、
大きなバイキングのテーブルにこれら沢山のお経が並んでるのをご想像ください。
その沢山の料理(お経)から各人が好きなおかずを選んで自分の皿に盛っていく訳ですが、
各人の好みによって取り分けた料理には一定の傾向が出てくる。
その「傾向」がそのまま宗派の違いだと思っていただければわかりやすいかと思います。

うちの母は宗派ごとにお経が異なってると思ってて、
実際皿に盛った料理が違えば宗派ごとに使うお経も違う場合もありますが、
お経というのは各宗派が生んだものではなく、もともと仏教界という大きなテーブルに
並べられた中からお祖師が選んで皿に盛ったもの。
ルーツが同じだから、「法華経」などのように違う宗派でそれぞれ使われるお経もあります。

お経の中でも最もメジャーな「般若心経」(般若波羅蜜多心経)は
一部の例外を除いて各宗派で用いられるお経ゆえに「超宗派」とも言われますが、
解釈は各宗派によっても少し違っているようです。

あまりに基本的なことですが、これすらもブッチーの現代人にはわからなくなっているので、
日本人の仏教離れは深刻ですね。
その一方で、仏教がルーツの文化に今でもどっぷり浸かっていて
そのことに当の本人たちは気づいてないんだから、
日本人というのはおかしな民族だとつくづく思います。


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最終更新日  2015年05月30日 22時30分51秒


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