戦国ジジイ・りりのブログ

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2015年06月19日
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カテゴリ: 旅日記(近畿)
定光院との分岐から猿馬場(さるがばんば)へ入った時のわたくしのテンションは
もちろん高かった。

それが元三大師御廟に着くなり「無」となった。
これは 最澄の廟 や 禅師の君の廟 を訪れた時の感覚とも全く違う。
この2つのお気に入りの場所でも身体の力が抜けるような一種の「無」に陥ったけど、
それは「幸福な無」だった。
でも良源さんの御廟では幸福も恐怖もない、ただの「無」だった。


静かに御廟を後にした。

『伝教大師最澄の寺を歩く』(JTBパブリッシング)では

 【入口に鳥居は立っているものの、住房の雰囲気を持ち、廟所とは思えない。
  厳めしさもなく、懐かしげな気配さえ漂っている。】

と紹介しているので、感じ方にはかなり個人差があるようです。

御廟から先の道は龍馬場(たつがばんば)と名を変え、
横川の中堂の裏手へと続いている。


叡山3・横川62


猿馬場にもニンゲンの足跡はなかったけど、龍馬場にも足跡はなかった。
けど、

叡山3・横川63




「龍馬場」の名の由来はわからないけど、この先に龍の伝承を持つスポットがあるので、
その龍が守護しているという意味かもしれない。
猿の馬場の由来は前回書きましたが、猿の大群が人夫をやってくれたなんて伝承、
現実主義者のわたくしでなくてもウソくさいと思う方は多いでしょう。
たぶん猿馬場の方は日吉神社で神の使いとされる神猿(まさる)が

横川随一の聖域だもの、猿と龍の神獣に守られているとされても不思議じゃない。


龍馬場の終点まで行くと色々出てきて、人界に戻ってきたという雰囲気になる。


叡山3・横川65


猿馬場の入口にはこんなものなかった(たぶん)。
横川の駐車場から来た場合、まずここに出るので
御廟へ参拝する人は龍馬場から入る人が多いかもしれない。

上の写真の後ろにも写ってるけど、ここには


叡山3・横川66


叡山3・横川67


と良源さんに捧げられた灯篭があるので、
龍馬場から聖域が始まっていることがわかる。
ちなみに灯篭の裏の銘は


叡山3・横川70


叡山3・横川69


天台宗には門跡寺院が多いけど、この2つのお寺に青蓮院をあわせて
「天台宗三門跡」と呼ぶそうな。

ここにも良源さんについての解説板があるけど、
目新しい内容がある訳でもないので本文は割愛して、
骸骨バージョンの良源像だけ掲載します↓。


叡山3・横川68


角大師はどこも似たようなデザインだけど、寺ごとにビミョ~な違いもある。
横川の角大師はスマイルがまぶしいのが特徴的かな。

この他にもあるけど、まずは一旦中堂へ向かいます。
これが横川の中堂、首楞厳院(しゅりょうごんいん)の裏手↓。


叡山3・横川73・中堂


叡山3・横川75・中堂


舞台造です。
脇に石段があるので、これを上がって正面側へ回ります↓。


叡山3・横川76・中堂


ほっ・・・
東塔の中堂みたいに封鎖 されてなくてよかった
で、こちらが首楞厳院の正面↓。


叡山3・横川77・中堂


 【横川中堂

  このお堂は首楞厳院と称し、横川の中心となる大堂です。
  第3世慈覚大師円仁上人が、嘉祥元年(848)に開創し、本尊に聖観音を祀った
  以来豊臣秀頼と淀君の再建したお堂は昭和17年夏、雷火で焼失しましたが、
  幸いに本尊聖観音は災火を免れ、昭和46年伝教大師入滅1150年遠忌の記念と
  して、当時を偲ぶ朱塗の美しい舞台造りが復元されました。また、新西国観音霊場
  第18番の霊場でもあり、善男善女の信仰のメッカです。付近には横川全域に
  西国三十三所の観音石仏めぐりも出来、静寂な霊場でもあります。】
  (現地解説板より)

淀殿がカンパしたという古寺は結構ある。
そういう所でも、恩人に対しほとんどが「淀君」と表記しているのが気になる。
まあ、彼女の呼称には色んな説があって必ずしも「淀殿」が正しいという訳でも
ないようだけど、フツーに考えれば「淀君」とは言わないと思うんだけどな・・・


え~と、円仁さんが最初に横川へ入ったことや
観音様を祀ることになったいきさつは 「(125)」 に簡単に書いたので
割愛しますが、観音様について少々。

観音菩薩(観世音菩薩)には様々なバリエーションがあり、
その多様さがシロートにはわかりにくい。

千手観音、如意輪観音、馬頭観音、十一面観音、
それから「春の寛永寺」シリーズで出てきた不空羂索観音などなど。
像によっては形態に差があることもあるものの、これらは手が沢山あったり
顔が沢山あったりとヒトっぽいナリをしてるけどヒトとは違う異形(いぎょう)。
大ざっぱに言ってこういうヒトとは違う姿の観音様は
変化(へんげ)観音と呼ばれる。

それに対して顔がひとつ、手が2本(一面二臂)のヒトと同じ姿の観音様を
聖観音(しょうかんのん)という。
ま、聖観音が基本形でほかの観音様はそれが変化した形、みたいな感じかな。

わたくしが2つめに覚えたお経は『法華経』の中の「観音経」の偈(げ)ですが、
これは「観世音菩薩普門品」といい、この「普門」(ふもん)は
「あらゆる方向に顔を向けるもの」という意味で、
そこから悩める衆生を救済するために様々な姿に変化するという風に
考えられるようになり、沢山の変化観音を生みだしたそうな。

ただ、一面二臂ならすべてが聖観音かというとそうでもなく、
阿弥陀様の脇侍などとしている場合はただの「観音菩薩」と呼ばれ、
単独の場合には聖観音と呼ばれるのが一般的らしい。

ところで観音経といえば、少し前に行った寺に観音経の経本があったので
見本を手に取って開いてみたところ、見たことない文章がずらずら並んでいる。
あれ?私が覚えたのは観音経だったハズ・・・と思ってぱらぱら繰ってみたら、
最後にちょこんと載ってる「偈」がそうだった。
そこに至るまでの文章は果てしなく長い。

げえええ~っ、観音経ってこんなに長いお経だったの!?

わたくしは叡山で買った勤行式に載ってる文を覚えただけで、
『法華経』の全体を見た訳ではなかったから、ひとつの品(ほん)だけで
こんなに長いお経だとは思ってもみなかった。

・・・いやまあ、確かにタイトルには「観世音菩薩普門品偈」とは書いてあるけどね。
偈の部分だけで8ページもあるので、まさか本文がこんなに長いとは思わなかったのだ。
経本の厚さからすると、今やってる『金光明最勝王経』の大弁才天女品と
同じぐらいの分量があるかな。
全体からいえば偈の文字数なんて実にかわいいもので、


げ~~~~~~っっっ・・・・・


と頭の中でオヤジギャグをかましながら、観音経の経本を買いました。
つまりこの本文の方に、『 宝ものがたり』の解説にあった
子宝の霊験
が書かれてるという訳だな。

という訳で、今の大弁才天女品の後には観音経へのチャレンジが決定しております。
まだ大弁才天女品は半分も行ってないんだけどね。


首楞厳院は中へ入って拝観できるようになっている。
ただし、靴を脱がねばならない
外から中を覗いていたら、入口に座っていた係のおじさんと目が合った。

「どうぞ中へ」

という風に会釈をしてくれたんだけど、結局中へは入らなかった。
どうせ中には誰もいないのはわかってたんだから、
静かに参拝できるいいチャンスだったのに、入るのはやめた。

山靴を脱ぐのがめんどくさかったのもある。
でもそれ以外に、この頃には急いで山を下りて
坂本のお目当てに移動したい気持ちがわき上がっていた。
それで、お堂の前のこれだけ見て中堂を離れた↓。


叡山3・横川78・中堂


 【護法石

  鹿島明神、赤山明神影向之霊跡 又曰影向石
  両明神共に比叡山延暦寺の守護神である。特に赤山明神は比叡山東麓の守護神
  日吉山王に対して西麓の守護神である。】
  (現地解説板より)

よくわからないけど、両明神がこの石に現れたってことかな。
同じ「護法石」でも 西塔の護法石 とはまた違うものらしいな。

結局、東塔にはもう行かなかったし、横川でもこのていたらくだったので
三塔にそれぞれある中堂のうち、今回わたくしが参拝したのは
西塔だけだったという
ホントにこの旅では叡山の堂宇はロクな見方しませんでした。
その代わり墓には結構行ってるので、墓マイラーのわたくしらしい歩き方とも申せましょう。

ただし、よい子はまず中堂でご本尊様にごあいさつするようにね。


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最終更新日  2015年06月19日 22時58分09秒


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