韓国ソウル便り 私の韓国レポート番外編

韓国ソウル便り 私の韓国レポート番外編

2017.01.09
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テーマ: 韓国!(18216)
カテゴリ: 韓国
韓国の反日関連の記事を書いてきました。

ここで少し踏み込んで整理をしたいと思います。



まず李承晩大統領、右派で独立一世代なので反日感情が強かった。
朴正煕のクーデターによって軍事政権誕生。
彼の「反日」は以前のブログ記事に書いたようなものであったと思う。

再び韓国の反日について考えた(ブログ記事)

朴正煕は日本の陸軍士官学校、日本陸軍出身の軍人である。日本語もできるし、日本の人脈も持つ。
故に「昼は反日、夜は親日」と言われた。

朴正煕政権は軍事クーデターによる政権であるので正統性に不安がある。故に「反共」「反日」のポピュリズム政治を行った。
北朝鮮の挑戦を受け焦土化した国土の復興を動機とした彼において「反共」に関しては真実であったのは当然である。

(植民地時代に日本にもある程度のシンパシーを持っていた、若しくは日本側で働いていた人材が独立後にも登用された。他に人材を求めることができなかったという理由がある。朴正煕自身もそういう境界の上に立つ人間の一人であった)

軍事政権のポピュリズム統治で追いやられた人々もまた存在する。それらの人が左派スペクトラムを形成すると考えられる。極左では親北朝鮮勢力、当時の学生運動は親北勢力の何らかの影響を受けている。もちろん自由や民主化、後に平等や分配を標榜するリベラル左派にまでスペクトラムは至るのだが、当時は政権の「反共」ポピュリズムの抑圧を受けてきた。

反共はともかくとして「反日」には保守派政権の虚があったわけだが、のちに左派はこの虚を見事に突いてくる。

ポピュリズムは空気を支配する。左派は民族主義と「反日」という保守派政権が否定できない空気の中で自己の立ち位置を定めた。
保守派は建前と欺瞞の「反日」、左派は思想的戦略的「反日」である。

ここで断っておかなければならないのが「反日」は「韓国人が日本を忌み嫌っている」ということとは道議ではない。思想も政治も関係の無い日常の生活空間において韓国人は日本に対して概して肯定的なイメージを持っている。
日本のモノも日本旅行も日本の文化も普通に好きなのだ。
日本人に関して連想されるイメージが「親切」「信頼」であったりする。

では「反日」とは何かというと、政治的プロパガンダや言論空間で使われる用語なのだ。
もちろん反日的言説を聞かされる日常にその影響がないとは言えない。日本に対する誤解も間違った思い込みも存在する。
しかしそれらは政治的プロパガンダや言論空間での言説、のちの権力闘争の道具ほどの過激さはないのであり、日常では概して韓国人は日本人が好きなのである。



さて左派の盧武鉉政権において権力闘争の具として強烈に反日が使われることになる。
それが「親日反民族行為者財産の国家帰属に関する特別法」いわゆる「反日法」の制定である。

親日反民族行為者財産の国家帰属に関する特別法(Wikipedia)

事後法であるとか様々な法理的問題を孕んだこの法律の制定は、左派である盧武鉉政権が保守派の支持勢力である韓国財閥や保守派のハンナラ党およびハンナラ党党首であった朴槿恵にダメージを与えるための権力闘争の一環であった。

韓国の親日派財産没収法のとんでもなさとその背景(ブロマガ)

この「反日法」の制定は、「反日」をポピュリズムの道具から金科玉条の地位に格上げしてしまった。
そもそも保守派の建前と欺瞞であった「反日」は、彼らに対して正に諸刃の剣になってしまうどころか、返り討ちに遭う結果となる。こうしてかつて反共独裁政権によって窮地に追いやられた左派が政権を取ることによって赤狩りならぬ反日狩りが行われていく。



韓国挺身隊問題対策協議会(Wikipedia)

さらには北朝鮮の組織である「朝鮮日本軍性的奴隷及び強制連行被害者補償対策委員会」が韓国で活動するのでさえ「反日」を掲げて活動するのを指をくわえて見ているほかないのが現状である。

重要なのは、すでにこのような構造を大手メディアも報道することができないでいる事実だ。左派寄りの報道をする立場であったり、反日狩りを恐れる理由であったりと、理由は様々であろうが、結果として多くの国民は、かつて軍事政権が建前と欺瞞を覆い隠した「反日」に扇動されたごとく、権力闘争の具として利用される「反日」には気づかない。
そこには「反日」に国民情緒的根拠があるからだが、それに関しては以前の投稿で書いたところだ。

実はそれ以外にも韓国全教組による学校教育によるところも無視できない。

さらにやっかいなのは「反日」が自己検証することも許されないモンスターになってしまっている事実。それは「帝国の慰安婦」裁判問題でも明らかである。「反日」はカルト教理の如く、客観的に語ることはもう誰にも許されない。自浄能力、自浄機能を失ってしまっているのだ。

『帝国の慰安婦』問題に見る韓国の異常な言論空間

チェスンシル事件以降、一気に親北左派勢力は世論を掌握した形となっている。
今となっては最有力となった次期大統領候補のムン・ジェイン氏は当選すれば日韓合意を破棄すると豪語する。これは日韓問題にとどまらず、韓国が反日反米、親中親北に完全に路線変更をするという国家のあり方に係る問題に直結する韓国人にとって深刻な問題なのである。
日米にとっても東アジアの安全保障上の戦略の変更のみならず、重大な危機を迎えることを意味する。

現在の韓国を見るとEU離脱の国民投票前の状況に似ている。まさかと思いつつ大多数の国民は空気に流され、客観的判断を失う。国家として反日反米路線を選択するか親中親北路線に転換するかは、論じることを許されないポピュリズムの最果ての地に立つ韓国人の判断に委ねられる。

果たして韓国はポピュリズム国家となってしまった。しかしながら、この空気が法の上に立ったことを戦略的に陽動している勢力以外に、これを批判的に自覚する人達もまた韓国には存在する。今日的な思想政治的構造を自覚し危機感を持つ保守派にあたる一部の人達だ。彼らが韓国社会が積み重ねてきた負の遺産を背負い乗り越えるのには多くの困難がつきまとうであろう。が、ぜひ克服してポピュリズム国家の汚名を返上してもらいたい。





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最終更新日  2017.01.09 15:43:50
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