大体3分の2は猿の如く

大体3分の2は猿の如く

2008/07/04
XML

『永琳の永遠亭日記~3~』

今日も今日とて姫様と藤原の中は良好のようだ。
藤原が主に永遠亭に来ていたので、彼女の方がお熱なのかというとそうではなく
逆に姫様が藤原にお熱なのだ、と言う旨を本日洩矢神社に参拝しに言った折に耳に挟んだ。

そう、いつまでも部屋に閉じこもって薬の制作も、暇が潰せて良いのだが
やはりそこは人の子、外に出て日の光を浴びたいと願うのも当然だろう。
私と姫様は月の民であったが、それでも日の光は月と違って
燦々と輝く辺り、月のように妖しく光る事もないのだ、と言うことで
比較的、日光は好まれるようだ。私にも、姫様にも。

神社には相変わらずこちらに不慣れと思われる東風谷の御嬢が

如何にあの博麗の巫女が、怠惰な性格をしていても仕事は出来るのだなと言うことを
嫌でも痛感させられる、否、もともと博麗は存在が役目なんだとか。

ウドンゲに姫様を八坂神と洩矢の神に逢わせるよう、言付けると
私は比較的町に慣れている藤原に着いてきて貰った。
道中、姫様について二三質問を通してみたが、いやはや、どうやら人となりとしては
とても好ましい人ではないか、ということを改めて認識させられた。


不死について。

姫様のことについて。

幻想郷について。

自分について。


主だって挙げればこのような質問になるのだろうか。


彼女は「あれだけのことをしておいて、輝夜は私のことを好いてくれるという。
その気持ちがある内は、やはり私は死ぬことで輝夜を裏切りたくはない。
一時は後悔したこの身体も、今となってはあの時の自分に感謝せざるを得ないな。」と言う。

それだと、二つめとほとんど変わらないのではないかと問えば
それだけ輝夜を大事に思ってるんだよ、とはにかんだ笑顔で答えてくれた。


そういえば、この町の人とやけに顔を知られていますね。
と訊いてみれば、何とも不思議なことに独りだった私をこの中に引きずり込んだ
無二の友人が居るんだとか、その人は寺子屋で子供に教えているらしい。


はて、そういえば稗田の御嬢に付いてきていた妙な帽子をつけた
少し背の高い女性が居たのだが・・・彼女なのか?、確認してみれば
青い髪だったらまず間違いなく彼女だ、慧音という、と名前まで教えてくれた。

妖怪や半獣の類であるにも関わらず、人間が好きで
何かと問題があれば、人間側の肩を持つという少し風変わりの方らしい。

先日の事件の折には、被害を与えさせて堪るものかと言うことで
町があったという歴史を消してしまったということだ、なかなかに豪胆らしい。
人間好きが高じて、町一つの寺子屋で教鞭を執るにあたるという彼女。
町はずれの稗田の御嬢と仲が良いらしい、知識仲間だとか聞いた覚えがあるという。


幻想郷について聞いてみれば、外よりは大分幸せな世界。
という、簡素ながらも込められた思いは非常に大きな答えを頂けた。

よほど、死ねないということが首を絞め、迫害されてきたのであろう。
姫様はそのことについてさほど気に為されたことがないぞ、と言ってみると
快活に笑いながら、ははっさすがはお嬢様だ、やはり違うな、と言ってのけた。
皮肉のように思えたが、すこし目が泳いでいる点から照れ隠しなのだろう。

いや、なんとも、これは私から見ても好感の持てる人だ。
どうやら、私としたことが色眼鏡で最初から本質を見ようとしなかったらしい。


薬の材料となる各種薬草を買い求め・・・ようとすると
あら妹紅ちゃんじゃない、ほらほら持っておゆき、などと店の方は言いながら
品物を笹の葉に包んで、私たちに持たせた。

お代はと訊けば、妹紅ちゃんには色々お世話になってるから良いのよ。
と、不思議と凄いことをサラッと言いながらも業務に戻ってしまわれた。


神社に戻ってきてみれば、姫様が八坂のを相手に外の札
(妙な4種類の記号と1~10、奇妙な文字三つが組み合わさった計52枚の札)
を使って、神経衰弱なる遊びをなさっていた。
どうやら、東風谷の巫女の住んでいた外の世界では、廃れつつあるが
まだまだ各所で人気のある遊戯だという話を聞いた。



ただ。



帰ってきた際に、ウドンゲがとても憔悴していたのは何故だろう。
と、疑問に思わざるを得なかった。

何があったのだろうか、だが、ウドンゲが何かをしたのかな。
と思う程度で、何か納得がいってしまったので、この件は保留と言うことにしよう。

今宵も月が綺麗である。


また明日。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2008/07/04 10:54:46 PM コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: