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2008.10.12
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カテゴリ: 読書・レビュー


「坂の上の雲(1)」
文春文庫
著者: 司馬遼太郎

半年前くらいに、会社のOBと飲んだ際に歴史談義に。

北方水滸伝やら三国志やら戦国時代やらの流れで、
司馬遼太郎の「竜馬がゆく」が大好きとの話から、
「『坂の上の雲』を読まずして歴史を語るな」 と
叱責される。(笑)

「今日の日本人がロシア語ではなく日本語を
 話していられるのは、日露戦争で先輩方が
 大量の血を流したから」であり、
 「その歴史を知らずして歴史は語れない」との事。


瞬間そーとー右寄りな話題になってました。(笑)

そんな強烈なイメージがあって、ずっと読もうと

現在4巻を読破。


物語は明治中期、幕府が倒れ近代日本の世の中で
お隣中国が列強各国に切り刻まれて衰弱をしていくのを横目に、
植民地にされて溜まるかとの防衛本能から大急ぎで
帝国主義を取り入れようとする日本を、
3人の伊予松山出身の若者にクローズアップをすることで描く。

一人は俳人・歌人の正岡子規。

一人は子規と同郷で同窓であった後の海軍参謀、秋山正之。

一人は正之の兄で、陸軍騎兵隊長、秋山好古。


激しい気性を持ちながら激動の時代に病を得て、
文学の世界で自己を表現する正岡子規と、
激動の世界情勢の中で軍人として国を守る活躍をする同郷の兄弟。

文学と軍事。相反するように思われるこの二つの世界で
大きな功績を残す人物が、幼年から親交があった点は感慨深い。


活躍する兄弟との対比が切ない。

3人に共通するのは、命がけで自分のライフワークに取り組んだこと。

「子規」とはホトトギスのこと。病の床で文字通り血を吐きながら
文学の研究に没頭する。

一方秋山兄弟は、近代化を急ぐ日本で、自分がやらなければ
日本が滅ぶと信じて、海軍艦隊・陸軍騎兵、


子規は動けなくなりながらも自分の庭の自然を文章で写実する事で
歌・句を極めて、死去。

残された兄弟は南下するロシアの脅威を相手に、
自分の力を発揮することに。

3巻から4巻で、ロシア太平洋艦隊との黄海海戦や、
旅順要塞を巡る大失策が描かれる。

侍魂を持つ最強の兵隊1万人余りが、装備や弾薬が圧倒的に
不足する環境でいかにして乃木大将以下の頑迷な作戦と
機械化されたロシア軍要塞の前で虐殺されて行ったか。

旅順に突撃する「白襷隊」隊長に任命される中村覚少将は
「死地を得た」と感謝、部隊に「『退却』の文字は抹殺する」として
塹壕から覗く機関銃の林に向かって決死の突撃を行う。

平和ボケして超個人主義に慣れてしまっているジュンでも、
当時の日本人は「自分の命で国を守る」と言う強力な共通目的を
持っていたのだと感じました。


5巻目以降の展開が超気になります。。。
物語になっているので事実との乖離がどれくらいあるのかは
不明ですが、うぅん、歴史は偉大。





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Last updated  2008.10.12 21:39:08
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