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(原文)
遂問、「大修行底人、還落因果也無」。師云、「不昧因果」。老人於言下大悟、作礼云、「応甲已脱野狐身、住在山後。敢告和尚、乞依亡僧事例」。師令維那白槌告衆、「食後送亡僧」。大衆言議、「一衆皆安、涅槃堂又無人病。何故如是」。食後只見師領衆、至山後巌下、以杖挑出一死野狐、乃依火葬。
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(訓読)
遂に問う、「大修行底の人も還た因果に落つるや」。師云く、「不昧因果」。老人言下に於いて大悟し作礼して云く、「某甲己に野狐身を脱して山後に住む。敢て和尚に告ぐ、乞う亡僧の事例に依れ」。
師、維那をして白槌して衆に告げしむ、「食後に亡僧を送らん」。大衆言議すらく、「一衆皆な安し、涅槃堂に又た人の病むなし。何が故ぞ是くの如くなる」。食後に只だ師の衆を領して山後の巌下に至り、杖を以って一死野狐を挑出して、乃ち火葬に依るを見る。
(禿 禺儒訳)
そして彼が過去に修行者から問われた問い、「修業の成った人でも因果の法則からは逃れられないのでしょうか」との言葉を発した。そこで問われた百丈和尚は応じる。「因果などという法・言葉に惑わされる事は無い」。それを耳にした老人は、ああやっと迷いの暗闇から抜け出せたと、喜んで礼をして云う、「これで私は狐の姿から人間に還れた、お願いします、和尚さん坊さんが亡くなった時の様式を此の私にも採り行ってください」。
百丈和尚は寺の事務方を呼び、板を撃たせ弟子たちを集めて知らせた。
「食事が済んだら一人の坊さんの葬儀を行う」と。
弟子たちは怪訝に思った。「この寺の誰一人亡くなったとは聞かない、元々病人用のお堂に伏す人もない。和尚さん何を云い始めるのか」と。
でも和尚さんは食事の後皆を引き連れ寺の裏山に登り大きな岩の元に来て、杖を使って一つの狐の死骸を掘り出し、火葬にした。