2003年03月07日
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ふと目を覚ますと、
夕べからタカの腕枕でまどろんでいた相方の由子がいない。
寝返りを打つと部屋はベッドサイドの間接照明で紫がかった青い海の底の様だった。
素肌にバスローブ姿の由子は台所で包丁の音を立てている。
恐らく朝ごはんの支度だろう。
由子の声が聞こえた。
「ねえ、馬券当たった?2着で複勝付いたんでしょう」
「ん、ああ……」
とタカは戸惑いながら生返事した。
実はバランスオブゲームが24kg増だったのを知って馬券をパスして、
2着の複勝を採り損ねていたのだ。
いや、とり損ねたというより自分の信念で買わなかったのだから後悔はしていなかった。
22kgも馬体重を増やしていては頭はないと思ったから買わなかったのだ。
本命の馬が勝たなければ気がすまないタカにとっては別に惜しい馬券ではなかった。
「ねえ、焼肉おごってよう」
由子が馬券を当てにしているかのようにねだったが、
「そうだな、いつか食いに行こう」
と逃れるのがやっとだった。
ところであさっては弥生賞か。
競馬仲間のヤスと電話でやり取りしていた時のこと。
「ヤス、武豊の ザッツザプレンディ で堅そうだな?」
「ああ、毎年レベルの高いレースでクラシックに結びつく。今年は少なくとも3頭立てだな」
ザッツザプレンディ、テイエムリキサン、エイシンチャンプの3頭の争いと見ているようだった。
2歳チャンプのエイシンは連戦続きの休み明けで馬体を緩めてると思うし、
テイエムはいかんせん勝ちきれない。
それに比べてザッツは前走のとき雨で湿った馬場で4馬身千切ってた。
アグネスタキオンでラジたん→弥生→皐月を連勝させたことのある河内が手綱から離れるのを惜しんでいた。
それぐらいの逸材を今度は天才が操る。
恐らく3着は外すまい。
調教師はどうしても本番で豊を乗せたがってるから仕上げに抜かりはない。
待てよ、そうなると単勝で買うレースではないな。
恐らくエイシンを抑えて一番人気になるはずだ。
今回は見るレース。
とそのとき、由子の声。
「いつもいつか行こうといっていったためしないじゃん!」
甘えた声でふくれっ面の由子を後ろからがばっと抱き付いて
「じゃ、今晩行くか!」
と首筋にキスをして答えた。
「いやん、朝ごはん食べてから!」
由子の嬉しそうな声に答えるかのように、
「じゃあ、その前に前菜にするか」
と由子を振り向かせて熱いキスに入っていった。
その後、二人がベッドの中で朝ごはん前の甘いデザートを楽しんでいった……





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最終更新日  2003年03月08日 00時17分17秒 コメント(2) | コメントを書く


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