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このページはshinakunが購入し、テイスティングではなくドリンキングした感想を掲載しています。
7年前の自分に、報告しなければいけないことがあります。
2019年4月7日、私はこのブログに 「みかんショコラと抜群のマリアージュ」 という記事を書きました。マロッティ・カンピのオルジオーロ、ラクリマ・ディ・モッロ・ダルバです。
薔薇を含む花束の様な複雑なアロマ
赤や紫のベリーにオレンジ系の果実味、ほんのりビターでシルキーなタンニン
オレンジ果実味とシルキーなタンニンが高カカオのチョコに合う。
だから、みかんショコラと合わせたら抜群だった。 SP80、CP2.8〜3.5K。
タイトルにするくらい気に入っていたわけです。
そこから7年。同じ銘柄を、あと2回飲みました。
今日はこの話です。
先に基本情報を。私も長らく分かっていませんでした。
「ラクリマ・ディ・モッロ・ダルバ」は 産地の名前(DOC)で、ブドウ品種は 「ラクリマ」。
モッロ・ダルバというアンコーナ県の小さな町とその周辺でしか造れない、超ローカルな品種です。
ラクリマ=「涙」。熟すと果皮が裂けて雫が垂れるから、だそうで。
名前からしてもう泣かせにきている。これから泣く話をするので、ちょうどいい。
作り手のマロッティ・カンピは、19世紀半ばからこの地で農業をやっていた一族。
1886年の農業ジャーナルに「チェーザレ・マロッティの最初のブドウ畑、ギヨー仕立てで8,000本」と記録が残っているそうです。1886年て。明治19年ですよ。
1991年に当主ジョヴァンニがブドウ畑の近代化に着手し、品種をラクリマとヴェルディッキオの2つに絞る。
1999年に新しい醸造所を完成。現在は120ヘクタールの農地のうち約50ヘクタールがブドウ畑。
「あれもこれも」をやめて2品種に絞った判断がいいですね。
私も物件を絞れずに迷走した経験があるので、身につまされます…
効いてるのは「使用済み」の樽でしょうね。
新樽をドカンと使ってバニラ香で塗りつぶす方向ではなく、ラクリマの花っぽい香りを消さないよう、あえて風味の出きった樽を使っている。
2,838円でこの手間のかけ方は、正直まじめです。
2022年3月 、私はこう書いています。
ショコラ要素が少なく、薔薇要素がすごいこと
おそらくアルコールが高いためその印象が強いと思い
そして、
前回のヴィンテージを忘れましたが、現段階では、以前の様なオレンジピールベストマッチから距離が離れたと思います
……前回のヴィンテージを忘れる男。相変わらずです。
ともあれ、この時点で私は気づいていたわけです。
みかんショコラの相棒だったあの感じが、遠ざかっていると。
それでも当時の私は、こう考えたんだと思います。
「まだ若いからだろう。寝かせれば、あのオレンジとショコラの調和が戻ってくるはずだ」と。
そして2,838円で買った1本を、4年しまい込みました。
ビロードのような舌触りは健在。
ここは7年変わっていません。というかこのワインの本質はここなんだと思います。
2019年に「シルキーなタンニン」と書いた質感が、4年熟成させてもざらつかずに残っている。
問題は、こっち。
ショコラ感、完全に見失いました。
探しに行っても見つからない。
2022年に「少なく」と書いたものが、2026年には「無い」になっていました。
待っても戻ってこなかった。むしろ4年かけて、遠ざかる方向に歩いていった。
熟成での恩恵はなさそう、というのが7年越しの結論です。
寝かせれば良くなる、というのは全部のワインに当てはまる話ではない。
頭では分かっていたつもりでしたが、自分の舌で、しかも同じ銘柄を3回追いかけて確認してしまうと、なかなかどうして切ない。待った4年の分だけ切ない…
合わせたのはサイコロステーキ。これは良かった。
柔らかいタンニンが肉の脂をすっと流してくれて、ステーキ側の邪魔を一切しない。
みかんショコラの相棒は、7年かけて、肉の相棒になっていました。
それはそれで悪くない。悪くないんですが、私が惚れたのはそっちじゃなかった…
SP: 75 / CP: 2.5K
2019年の SP80から、5点の減点です。
「機会があれば値段しだいで買いたい」の下限。美味しい。美味しいんですが、あのタイトルを付けたときの高揚は、もうここにはありません。
CPも2.8〜3.5Kから 2.5Kへ。
2,500円なら納得して買います。2,838円だと「まあ、うん」と言いながらレジに向かう感じ…
このワインは 買ったら早めに開けるのが正解。
薔薇の香りとシルキーな舌触り、そしてオレンジとショコラへの相性。あれが全部乗っている、若いうちが本番だったのでしょう。
次に買うときは、寝かせません。買った日に開けます。
そして今度こそ、みかんショコラを添えて再会したい…!!!!!!!!!
ちなみにワインのオススメ度はShinakun Point【SP:50~100】で評価。
味の点数ではありません。オススメ度は以下の通り。
100-95:何が何でも手に入れなければ・・・
94-90:見つけ次第複数本手に入れたい
89-85:このワインをもう一本買って飲みたい
84-80:次のヴィンテージのときに買いたい
79-75:機会があれば値段しだいで買いたい
74-70:飲んでも損はないが再購入はない
69-60:個人差はあるが自分の好みでない
59-50:誰にもおすすめしないワイン
また、お買い得(この価格なら買ってもいい)度をCP:○K(○千円)で表します。
このワインの情報は生産者公式サイト( Marotti Campi )および Land of Wines を参照しました。