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夢~the pure dream~


僕は いつも
いつも夢見ていた
でっかい家に 大きな暖炉
僕と妹と パパとママ
み~んな笑ってて いつも明るい
それが 僕の夢

また一人 盗んだパンを持って走る
ものすごい顔して 走ってった
よく目にする光景
だぁ~れも驚く気配はない

この街の人は みんな冷たい
頭のてっぺんから爪先まで
真っ白な顔して
マリオネットみたいにただ歩くばかり

辛いのはきっと今だけさ
悲しいのはきっと今だけさ
きっとママがいつか僕を迎えに来てくれる

あの煙突の煙からは
あの窓からもれる光には
僕が一番欲しいものがあふれてる
ねぇ・・・ カワイイ子猫ちゃん・・
僕たちは良く似てるね・・・

目の前に立つ少女
ボロボロの小汚い服
いつか懐かしいあの暖かさが
その少女には感じられた

今日は良く冷える夜
身を寄せ合って眠る僕ら
「ねぇ・・・幸せになれるかなぁ・・・」
小さくコクンとうなずいた

寂しい夜はきっとコレっきり
泣きたい夜もきっとコレっきり
初めて自分に「友達」ができたから・・・

僕は いつも
いつも夢見ていた
100人の友達と 毎日遊ぶ
でもそんな夢 もういらない
ふたりで笑って いつも楽しい
今が一番 楽しいから・・・

ふたりで夢見たでっかい家
ふたりで夢見たでっかい暖炉
僕と君と 何人もの家族
み~んな笑ってていつも楽しい
そんな夢がいつか いつか
叶う日が来るといいね・・・

今日は一段と寒い夜
「あ・・雪が降ってきた・・」
また明日 あの日を想い
最後の夢をみていました・・・




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