風雲 いざなみ日記

2005年11月18日
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出石蕎麦を堪能してお腹も満たされたところで、そろそろ散布でもしながら、但馬国(たじまのくに)の神話のお話しでもしようと思います。

出石城前の風景
(出石城前の風景)

「天之日矛(あめのひぼこ)」 は、天日槍(あめのひぼこ)とも書きます。 出石神社の由来記によれば、天之日矛が当時入江に過ぎなかった但馬の地を瀬戸の岩戸を干拓して耕地にしたと記されています。 天之日矛は、朝鮮半島から我が国にやって来た渡来人たちが信仰した神様だと考えられています。 


古事記の伝承では、天之日矛は新羅(しらぎ)国の王子として生まれたそうで、4~5世紀頃に日本に渡来した人物だといわれています。 天之日矛は、ある日出会った一人の若者から、新羅国の沼のほとりで眠る美女が、突然虹の光を浴びて産み落としたという赤い美しい玉を譲られます。 天之日矛は、その玉を持ち帰って飾っていたところ、玉は美しい乙女 阿加留比売(あかるひめ)の姿となるのでした。


道中風景出石のイチョウ並木

天之日矛はその阿加留比売を妻とするのでしたが、仲の良い幸せな日々はそう長く続かず、やがて妻に不満をいい、妻はたいそう嘆き悲しんで天之日矛のもとを去ってしまうのでした。


乙女は、難波に辿り着いて比売詐曽(ひめこそ)神社の祭神になったと伝えられています。 阿加留比売は、関西では四天王寺ワッソのヒロインとして登場するお姫様として有名です。 突然に日本を訪れ、九州から瀬戸内海地域を転々として最後には大阪の鶴橋で祀られる女神となったのでした。 阿加留比売は、難波に来るまで各地を転々としたせいか、西日本の各地には阿加留比売を祭る神社が今でも数多く残されています。


出石城跡


一方、天之日矛も八種の神宝を携えて阿加留比売のあとを追って日本へ渡ろうとするのですが、海路の途中で渡りの神に邪魔をされてしまい、結局敦賀を経て 「多遅摩(但馬)」 「俣尾(またお)」 の娘 、「前津見(まえつみ)」 を妻に娶り、この地で製鉄をはじめた天之日矛は、当時の新羅の優れた技術を伝えて近畿地方北部の但馬の地に、新しい文化を築きあげていくのでした。


表現は若干異なるのですが、天之日矛とその一族の記述は日本書紀や播磨風土記などにも登場し、神話の時代に不思議と神秘に満ちた古代史を彩るなど、当時鉄をはじめとする金属の技術をもち、近畿地方北部に相当な勢力をもつ集団のトップであったことが容易に推察できます。ただ、いずれの記述にも、阿加留比売(あかるひめ)とその後どうなったかについてはまったく伝えられていませんが、私は妙にそれが気になるのでした・・・。



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最終更新日  2005年11月18日 00時11分45秒
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