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2015年05月12日
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別れというドラマを、航空機や汽船や新幹線が演出してくれる。



高校2年の時、当時付き合っていた名古屋に住む23歳のOLが俺に会いに来てくれた。

ポプラ並木を散策したり、吉祥寺の洒落た喫茶店でお茶を飲み、他愛のない高校生の

デートコースに付き合ってくれた。

夕刻帰る時間の間際、東京駅で食事をした。

別れの時間が迫ると、胸がキューッとしてきて、食が進まない。

これは1年前旅先で知り合って、富山で別れるとき同じだった。

そんな子供とも大人とつかない俺の姿を、彼女は優しく見つめていた。




せめて握手をする。

優しい白い手だった。

こちらの心を包み込むような柔らかな睫毛。


ずっと見つめていたいのに、別れが嫌だから、凝視できなくてうつむく。

それでも、やはり彼女を見たい。

別れの切なさを打開する術を、まったく知らない自分に、
ほとほとじれったくなり、いっそ涙でもこぼれればいいのに、
と自分の気持ちを持て余した。

彼女と同じぐらいの女の人が横にいて、女友達に見送らていたが、
俺の自暴自棄的な態度を見ていた。


でもどうすることもできない感情は抑えられない。


やがて出発のアナンスが聴こえ、無情にも扉が閉まった。

声も聞こえない。

ぶ厚いぶ厚いドアで、無理やり離れ離れにさせられた。

厚いガラス戸越しに、何度も手を振る女の姿を、わずかでも見続けたくて新幹線に沿って走った。

駅員がホームを走らないでと釘をさす。





走る事をやめ脱力感が自分を取り巻いた。















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最終更新日  2015年05月12日 22時00分59秒
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