風を感じて(着物の不思議)

風を感じて(着物の不思議)

2023.03.30
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カテゴリ: 着物のこと
自分は、生まれも育ちも東京なので、田舎がない。

いとこが夏休みに山梨へ行くというので、自分も夏休み中、山梨で過ごした覚えがある。
母の弟のお嫁さんの実家が山梨で養蚕業を営んでいた。

蚕がまだまだ小さな時から育て、畑から桑の葉を刈って来て、桑の葉を蚕に与える。
そんな日が幾日か続く。
まっ黒だった蚕は、みるみる大きくなり、
やがて真っ白になった蚕は、ふわふわでとても可愛い。

段ボールで出来た形の中に一頭づつ入れた蚕はそこで繭を作る。
キラキラとした、繭の吐く糸を、ずっと眺めていた。

そして中の蛹が育つように、固い繭は、空気を通し、湿度の調整までする。

雨が降るような、蚕が葉を食べる音や、
独特の匂いを今でも覚えている(眉を煮てるとはその時は知らなったが)

それが着物になるとは、知らなった。
大人になるにつれ忘れてしまった記憶が、
数十年たって、織元さんの機織りの機械を観た時によみがえる。
これ。あの糸だ。

そして肌にまとうことになるは。

現在日本で作られる繭は、数パーセントになってしまった。
誰も経験することが出来ない体験を毎年毎年、夏休みの度に過ごした。
野山を駆け回ったことも、畑でとれた野菜を口にしたことも、


もしかしたら、着物にふれることがなかったら、点と点はつながらなかったのかも知れない。
と今思う。
不思議な縁だ。





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Last updated  2023.03.30 21:00:09
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