先輩とのやりとり
私の仕事場の先輩が、医局の講演会で講演をすることになっていました。私としては行けないため、先輩に連絡しました。大腿骨頭壊死で先輩の講演会に行けませんという旨お話しました。そのご返事です。
びっくりしました。手術は受けるのですか？よく調べて医者は選んだ方がよいですよ。今ある人工骨頭は10年で入れ替えをしなければならないようです。東大で一生もつ人工骨頭が開発されたという話をききました。手術の腕に関しては分かりません。頑張ってください。
ご返事は以下のごとくです。
初秋の候、ますます御健勝のこととお慶び申し上げます。先日は、ご多忙のなかメール下さりありがとうございます。
私が足の異変に気づいたのは4月の下旬でした。椅子から立ち上がる際に、右の臀部に一瞬頭ズキッと痛みが走るようになったのです。それでも気にせず日常生活を送っていました。夕方のジョギングもいつものように行なっていました。連休前には徐々に悪化し、右足で立って左足の靴下を履くことができなくなりました。また階段を昇るときに右足を支えにして左足を上げることができなくなりました。それでも普通に歩いたり、走ったりできたので、5月3日の佐久市のマラソン大会に出場したところ悪化してしまい、歩行する際、右足を引きづるようになりました。それでも湿布で様子みていたら改善し、内視鏡学会のときは普通に歩くことができるようになりました。
しかし、その後悪化してしまい6月になって歩行困難になってしまい、当院の整形外科受診。MRI検査と股関節レントゲン検査で左大腿骨頭壊死と診断されました。
当院整形外科では、人手が足りず北里大学病院に紹介されました。当院整形外科部長が北里の先生であったからです。受診したところ、主治医の先生は大変よく説明してくださいました。人工骨頭の場合は、術後のQOLはよいが10－20年後に交換しなければならないときに、残りの骨がボロボロになってしまい、大変苦しい手術になることが多いとのことです。そのため私のようなまだ若い患者には、できるだけ骨切術で対応したいとのことでした。回転骨切術に内反骨切術を併用する非常に難しい手術であるとのことです。でも、人工骨頭になるよりは自分の骨がすこしでも残った方がよいと思います。なんとかこの治療に賭けてみたいと思っております。手術は11月25日です。その後6週間入院してから娑婆に出ることになります。松葉杖がはずれるのは、術後3ヶ月以後です。来年の2月前後と思います。治ったら先生と釣りに行きたいです。来年の夏に先生と釣りに行けることを楽しみにしています。また先生と酒でも飲みたいです。それを楽しみに病気と闘う所存です。
ところで、11月の手術まで時間がかなりあり、周囲から「もっとはやく手術してもらうようにできる筈でしょ。」と言われています。確かにごり押しが通る部分もあるかもしれません。でも、藤が丘で入院係りをやっていたときに、わがままなVIP患者が、「事務長の知り合いだから」「婦長の知り合いだから」と圧力をかけて無理やり入院を優先的にしてもらっているのをいやという程見てきました。普段はベッドがないからとなかなか協力してくれない婦長もそのようなときは対応が早く、積極的にベッドを空けてくれるので、正直驚くと同時に「世の中ごね得だな。」と思いました。ただそのようなときでも主治医サイドは、かなり頭に来ていて、「自分のことだけしか考えないいやな患者だな。」と話していたものです。私は、そんな思いを主治医にさせるのは得策でないと思います。命がかかっているわけではないのですから。
先生もお元気で、今後のご活躍を祈念しています。
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