いつか空が堕ちる日まで。

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「では、待っているぞ」
物凄く意地の悪い笑みを浮かべてそう言った



BLEACH 朽木白哉誕生日記念 (※恋白リバ風味です)



「自分で兄様に聞けばいいだろう?」
この男-阿散井恋次-は、年が空け、「もうすぐ朽木隊長の誕生日だ」と一度意識して以来、毎日プレゼントについて頭を悩ませている
考えても考えてもこれと言った名案が浮かばないので仕方なくルキアに相談してみたが、何とも非情な返答だった
素直に相談に乗ってくれるはずも無いだろうと思ってはいたが、こうまであっさり冷たくされて、少し困った
「……直接聞けたらお前に聞いて無ぇよ」
「恋次のれはへたれのれ…か(小声)」
「今何か言ったか?」

一気にそれだけ言うと、クルリと踵を返して立ち去った
二人の血は繋がっていないはずなのに、こういう冷徹な処は怖いくらい似ている



「……特に無い」
勇気を振り絞って直接聞いてみた答えは、こんな絶望的なものだった
「…あ~…でも、何か一個くらい無いんすか?欲しい物とかお願いとか、何でもいいんすけど」
「……………」
「………無いんすか;」
「………恋次が」
「えっ?」
うっかり聞き逃しそうな小さな声を、恋次は聞き逃さなかった
自分の名前が出たという事は、お願いなんだろうか



「恋次が辛い物を食べている所が見たい」
『真剣』としか言いようの無い表情で言った
恋次がその言葉を呑み込むまで、丸々一分はかかった
「……意味がよく解んないんすけど」
言葉を呑み込めても、意味までは呑み込めなかった

だったら甘い物でもあげようかと思った時、もう一度言った
「だから、恋次が辛い物を食べている所が見たい」
また『真剣』だった
「……あの~……『だから』の意味が解んないっす」
「毎年私一人でその貰った辛い物を食べるのに苦労しているのだ。だから今年は恋次も協力してくれ」
「……俺、辛い物苦手なんすけど」
「勿論知っている」
そら耳じゃない。『真剣』だ
「さっき、『欲しい物とかお願いとか。何でもいい』……と言わなかったか?」
はい、言いました
「だからそれに付き合ってくれたら、それがプレゼントでいい」
そんなんアリですか
「では、待っているぞ」
物凄く意地の悪い笑みを浮かべてそう言った



「………もぉダメです……」
「そうか?」
沈没しかけている恋次に水を手渡し、自分は食べるのを続行する
「うぅ~……隊長、よくこんなのそんなに食べれますね」
「あぁ、まぁな。よし、これだけ食べればいいだろう。ありがとう、恋次」
普段笑わない人だから、ほんのり微笑んだだけで満面の笑みを向けられたくらい嬉しくなる
「……どうも///」
「口直しをするか?」
え?と顔を上げると、何か黒い物を手渡して来た
「何すか、コレ?」
「ルキアがくれた、猪口冷糖という菓子だ。ルキアは私が辛い物ばかり貰うのを知っているせいか、毎年こうして珍しい甘い物をくれるのだ」
普段笑わない人なのに、こんな笑顔もできるんだ。ルキアにプレゼントを貰ったら
そう思ったら、なんだか悔しくなった

「食べてみろ」
「…あざーっす」
適当な返事をして、一欠片口に入れた
想像以上に固く、想像以上に甘かった
「どうだ?」
「……美味いっすけど……口直しは、もっと別なのがいいです」
「別なの?」
どんだけ鈍感なんだろう、この人は
恋次がガッチリ両肩を掴んでも、まだキョトンとした目をしている
折角の決意が恋次の中で消えそうになったが、意を決して


唇を、重ねた


窒息しそうだった。脳みそにも体中にも、酸素が足りない
ゆっくりと唇を離して目を開けると、唇を重ねる直前と寸分違わぬ表情の白哉が、そこに居た
目を閉じてなかったのか、と思いつつ、そもそも今自分たちは接吻をしたという事実すら解ってはいないんじゃないだろうかと、少し不安になった
恐る恐る両手を肩から外し、行き場も無いので自分の膝の上に置いてみるのとほぼ同時に、白哉は口を開いた

「……今のの、……どこが口直しなんだ?」
少しガッカリして、少しホッとした
あまりの鈍感さにガッカリして、嫌われなかった事にホッとした
そして、開き直った

「好きなんすよ、隊長の事」

この人には、直接言わなければ伝わらないという事が解ったから、だから伝えたい
さっきから全く表情の変わらない目の前の愛しい人に、もう一度伝えた
「……好きなんです」
こうも表情に変化が無いと、なんだか恥ずかしくなってきた
「……そうか」
白哉は自分の手で髪の毛をくしゃくしゃにしながら誰にともなくそう呟き、何度も自分に言い聞かせるように頷いた

「……誕生日おめでとうございます」
沈黙が辛くて、苦し紛れに言った
視線がかち合って、余計息苦しくなった
「……恋次」


周りの景色が全部、スローモーションになった


恋次の視界で動いたのは、白哉だけだった
ゆっくりと、自分の顔にあの綺麗な顔が近付いて来て……
息苦しいなんてもんじゃなかった

またさっきと同じくらいのスピードで顔と顔に空間が生まれた
「……あのっ……えっ…と……?」
あまりの混乱に、自分が何を喋っているのか、何を喋っていいのか解らなくなる
「……接吻とは、好きな相手にするものなのだろう?」
………それって……?
恋次が混乱でいっぱいな事を知ってか知らずか、白哉は立ち上がり、部屋を後にしようとした
「あぁっ!隊長!!」
「何だ?」
「えっと…つまり…隊長は俺を……好き…なんすか?」
自分で聞きながら自信が無くなってきた
あの朽木白哉相手に、自分はなんと大それた事を言っているのだろう
だが、返って来たのは絶望とは程遠い言葉と、ルキアの事を話す時以上に穏やかな笑みだった

「あぁ」

そのまま部屋を立ち去ったが、恋次の頭の中からは、暫く白哉が離れなかった
この部屋でのやりとりが幾度となくリフレインされる
「……キス…したんだ」
自分の唇を指で触っても、もうそこにリアルな温もりは残されていない
だけど、自分と自分の好きな人は、確かに二度も口付けをした
好きだと言った
好きなのかと尋ねたら肯定された
それが、自分の好きな人の誕生日という素敵な日に起きた出来事

頭が沸騰しそうになって、慌てて先ほど飲みかけていた水を飲む
ふと、食べ残していた猪口冷糖が目に入った
一欠片口に入れた
やはり甘かったが、あの接吻の甘さには敵わないと思った

「……ざまーみろルキア」
プレゼントの相談に乗ってくれなかったからだ
これからは、俺があの人の笑顔を独り占めする
猪口冷糖なんかより甘い物を、二人だけで分かち合う


これからは、ずっと




























白 哉 兄 誕 生 日 お め で と う ! ! !

初書き白恋白…… 誰だよこのバカップルは!? 汗
兄様も恋次も喋り方に自信ナイです;

白恋、恋白どっちですかね?(聞くな)
今の私の中では超リバなんで、どっちからもキスさせてみました(笑)
だからSSも 中途半端 リバなカンジに仕上がりました!(笑)

恋次をもっとへたれにしたかったな……(コラ)
白哉兄は天然で鈍感な人にしたかったんで、そこだけ達成(小さ!)
このSSの中では恋次とルキア(ブラコン)はライバル

チョコは漢字にしたら本当に『猪口冷糖』らしいです
あっちには無さそうですが……まぁ、ね?(何)
ルキハピバではルキアも辛い物あげる気満々でしたが、アレとコレとは別物だと思ってやってください(^∀^;)

白恋白もっと書きたいけど、とりあえず白恋か恋白か絞らなきゃな……
じゃなきゃ書きづらいし;
多分両方 ある程度書きまくってしっくり来る方 で決めます(おい)





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最終更新日  2006年02月07日 15時52分14秒
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