本物の振袖

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2010年05月23日
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カテゴリ: 本当の振袖
一週飛んでしまいました。
雑用に追われて時間が取れなかったのですが、儲からなくても忙しい事は良い事です。

今日、ご紹介するのは古典的であり乍ら、重厚性とモダンさを兼ね備えた希有な振袖と思います。
元々、雑誌に出ていたものを参考に、更に付加価値を加えて完成したものです。

地色も種々やりましたが、一番絵になったのが黒鼠地。
これです。
「遠山に松竹梅の段」文様
振袖:遠山に松竹梅の段
生地はいつもの浜縮緬、南久さんの「雲影」

この振袖は可成り、複雑な工程を経て出来上がっています。


シルエットに松竹梅の形を取っている事では、柄の糸目とシルエットが混在しているので、柄の伏せ違いが起き易いのです。

また、ベージュの下染めを入れる事で生地の伸びが生じます。
事前に裏から緻密な鉛筆当たりを入れねばなりません。

柄の頂上付近にあるぼかしは当りを取っていません。
ぼかし職人さんの勘だけで合い口を合わせているのです。
簡単そうですが、極度に熟練された技術のみがなし得る染なのです。

肩付近にある梅や裾付近の梅と笹の一部には摺疋田を入れています。
当然、普通に彩色するより手間がかかります。

最初の考えではベージュの所は無地の予定でした。
中途で遠山の素描を入れる事になったのですが、これもこの振袖の質感を上げる事に成功しています。
松竹梅の柄を邪魔しないで重厚さを上げてくれました。


そのお陰で、割安感があったのか最近での一番人気となりました。

この振袖も何代かに渡って着用して欲しいものの一つと言えるでしょう。





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最終更新日  2010年06月01日 12時12分42秒
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