乱筆乱文縦横無尽

2009年09月20日
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カテゴリ: 読書日記

それで今日(日曜日)は15時過ぎに起床起きてからは別の本を読み始め、夜になってジョギングです今日は約12kmを65分で走りました。途中で休憩してしまったりで、走り切るのはやはり大変。来週以降も徐々に距離を伸ばしていきたいと思っています。




さて、今日は昨日読み終えた『さまよう刃』を紹介します。一気呵成に読み終えましたが、いろいろと考えてしまった作品でした。

まずはじめに書いておく必要があることは、この作品はミステリーとして完全に破綻してしまっているということです

このように言えるのは、作中で携帯電話がさまざまな場面で登場し、居場所を隠しているような登場人物も携帯電話を多用していることや、東野圭吾氏が得意とする「最後のどんでん返し」も携帯電話に関するものだったことからです。

本書が最初に出版されたのは2004年とのことで、物語が時代の変化についていけなかった一例といえましょう。

「現代」をテーマにするとこのようなことが起こり得るので、近年は過去を舞台にした物語が数多く書かれているのかもしれません。

さて、こうした瑣末なことよりも(案外「瑣末」とも言い切れませんが)、この物語が提示している主題とは「復讐の是非」であり、これがやはり本題と言えます。

物語は娘をレイプされ殺害された父親が主人公です。密告電話から犯人を知った父親は、衝動的に犯人(未成年)の一人を殺害してしまいますが、逃亡したもう一人の犯人(未成年)の所在を突き止めていく過程の中で、「復讐の不毛さ」や「更生を前提とした少年法の処罰の軽さ」に悩み苦しみます。そして、父親を追う警察の中にも、「残虐犯を助けるために被害者の父親を逮捕する」ことへの疑問が浮かんできます。これらの「葛藤」がこの物語で作者が描きたかったことであると考えます。しかし、結局のところ何かの「結論」を提示することもなく、物語は終わってしまいました。

率直に言って、「結論」が提示されなかったことが不満でした身近に在り得る「悲劇」を題材にして、疑問を投げかけるだけで何も答えがない。エンターテイメント作家が少しの社会性を見せて、結局は「現実に起こっている悲劇」をネタに金儲け。そんな不快感を覚えながら読み終えました。

私なりに考えたことを言えば、この事件でいうところの「復讐」とは、「恨み」などの付随物を取り除けば単なる「殺人」です。そして「殺人」とは、「平時」におこなってはならない「法」や「倫理」ですが、「戦時」には逆に推奨されることさえある、人間のさまざまな活動の一つに過ぎません。そして、「戦時」と認定することが「国家」の独占物ではなく「個人」も持ち得るものと考えるならば、結論は明らかでしょう。もちろん「戦時」が終わり「平時」に移行した際には、相応の賞罰(個人ならば確実に「罰」、国家ならば「賞」もありえる)が待っていることは言うまでもありません。



さまよう刃 (楽天ブックス)
角川書店(角川文庫) 2008年 ★☆☆☆☆(この作品はイマイチ)





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Last updated  2009年09月21日 00時54分26秒 コメントを書く
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おこめ@ Re:中島京子 『ハブテトル ハブテトラン』(05/11) 突然のコメント失礼します。 人違いであれ…
逆立ち天子6189 @ Re:斉藤光政 『偽書「東日流外三郡誌」事件』(07/05) 東日流三郡誌を真書とした古田氏は残念で…
悪女6814 @ Re:ジノリのプレート(ロイヤルブルー)(05/22) おはようございますヽ(*´∀`)ノふぉろーし…
尼尊太郎@ Re:金容雲 『日本語の正体』(11/09) こちらを見てください。 韓国の学界でも…
Sonic @ こんばんは コメントありがとうございます。 本書…

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