今回は、村田沙耶香さんの小説『コンビニ人間』をご紹介します。
「普通」ってなに? 「ちゃんとした大人」って、どういう人?
そんな問いに真正面から向き合った作品で、主婦として日々「家庭」や「社会」に向き合う私たちにも、どこか刺さる部分があるように思いました。
■ あらすじ(ネタバレなし)
主人公は36歳の独身女性・古倉恵子。大学時代から18年間、同じコンビニでアルバイトを続けています。
周囲からは「結婚していない」「正社員でもない」という理由で“普通じゃない”と見られ、時には心配され、時には不審がられることも…。
そんな彼女がある日、ひとりの男性と出会うことで「自分はこのままでいいのか」と揺れ始めます。
■ 感想:この息苦しさ、どこかで感じたことありませんか?
読み進めていくうちに、「ああ、これ、自分の中にもあった感覚かもしれない」と何度も立ち止まりました。
たとえば——
・家にいるなら「ちゃんと家事してるよね?」と無言の圧
・パートをしていても、正社員じゃないと“働いている”と認めてもらえない空気…
恵子さんのまっすぐで、でも社会からはズレてしまうような“生き方”は、決して他人事ではなく、どこかに共感や痛みを呼び起こすのです。
■ この本がくれた小さな気づき
「“ふつう”って、実は誰かが勝手に決めたテンプレートなのかもしれない」そんな風に思えたのが、この本を読んで一番大きな気づきでした。
他人の物差しに合わせて疲れてしまうより、自分に合った心地よさを大事にしていきたい。子育てにしても、仕事にしても、きっと“私らしいやり方”があっていいんですよね。
■ まとめ:忙しくても読みやすい1冊
文章はとても平易で読みやすく、1〜2日で読める分量です。日常にちょっとした問いを投げかけてくれるような、そんな不思議な読後感が味わえます。
気になる方は、ぜひ手に取ってみてくださいね。
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「好きって、なんで好きなんだろう?」を… 2025.04.19