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2011年06月30日
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カテゴリ: 心に沁みる音楽




八月のある日。空を見上げていた。片手を額にかざすと、一羽のハヤブサが、熱く渦巻く気流に乗り、舞い上がるのが見えた。高みへ高みへと、ハヤブサは輪を描きながらのぼってゆき、やがてかき消えた。つんざくような一声を残して。
ふいにぼくは、取り残されたような寂しさを味わった。「ハヤブサよ、どうしてぼくを置いて飛んで行ってしまったの?」ぼくはうめいた。すると、ぼくの魂が言った。「翼に乗ることなら ハヤブサのようなやり方でなくてもできるさ。きみの思考は どんな鳥にも負けないほど自由」。そこでぼくは、目を閉じた。すると魂はぼくを飛び立って、ハヤブサのように空高く、輪を描いて舞った。それはさらにのぼってゆき、いつしかぼくは地球の全貌を見下ろしていた。でも何かが違った。この冷え冷えとした寂しさは、なんだろう?

「ぼくを置き去りにして、飛んで行ってしまったからさ」ぼくの心が言った。「愛のない自由なんて、何の意味がある?」そこでぼくは、病気の子供の枕元にそっと歩み寄り、子守唄を歌い聞かせた。子供は微笑みながら眠りに落ちた。すると心はぼくを飛び立って、魂と一緒に地球を回り始めた。ぼくは自由で、しかも愛に満ち溢れていた。けれどもなお、何かが違った。

 「ぼくを置き去りにして、飛んで行ってしまったからさ」ぼくの肉体が言った。「今のきみは、ただ空想で飛んでいるだけ」そこでぼくは、これまで見向きもしなかった本を調べあさった。そこには実際に空を飛んだ古今の聖人たちの話があった。インドでも、ペルシャでも、中国でも、スペインでも、(それになんとロサンゼルスでも!)、魂の力が心だけでなく肉体の細胞一つ一つにまで届いた例が伝わっている。「あたかも大いなるワシに持ち上げられたかのように、悦びによって私は宙に浮かびあがった」聖テレジアはそう述べている。

 このような驚くべき事柄が真実を表すものかもしれないと信じ始めて、ぼくはようやく孤独感から解放された。今やぼくはハヤブサであり、子供であり、聖人となった。ぼくの目に、彼らのいのちの神聖さが まざまざと映りだすそのとき、真実が痛いほど見えてきた----生きとし生けるもの全てに神性を見出すとき、だれもが翼を手に入れるのだ-----。





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最終更新日  2011年06月30日 23時20分21秒
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