Nine Days' Wonder

Nine Days' Wonder

March 3, 2006
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電話が鳴っていた。僕は居留守を使おうと思って布団から出なかったが、電話は一向に鳴り止む気配が無い。
 仕方がないので僕は電話をとる事にした。
 全くこんな朝早くから何事だとふと時計を見ると時刻は午後の四時を回っていた。
 電話の相手は僕の学校の担任だった。担任は開口一番にこう言った。
 「***君、君退学だ」
 ひどく抑揚の無い無機質で事務的な宣告だった。
 僕は驚きこそしたが慌てはしなかった。多分、どこかで分かっていたのかもしれない。僕は、
 「そうですか」
 とだけ答えた。

 電話に出てから家を出るまでに十分とかかっていなかったと思う。起き抜けというのを含め、驚異的な速さだった。
 しかし、僕に焦りは無かった。むしろ逆に清々しささえ感じていた。
 道すがら原付を運転しつつカントリーロードを鼻歌で歌った。
 学校に着くと、僕は真っ先に英語の教官室に向かった。
 英語の単位は三単位なのでこれさえもらえれば進級は容易なのだ。
 しかし、不運にも先生方はことごとく不在だった。
 なので担任に少し挨拶をしてから帰った。
 しかし、僕には大した焦りは無かった。
 月曜日にもう一度来て山吹色のお菓子や得意のスライディング土下座をしなければならないので準備をしなければと漠然と考えていた。
 これからに希望があったというわけではない。進級ができるという確信があったというわけではない。
 結局のところ僕は興味が無かったのだ。


 事実98%





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Last updated  March 3, 2006 06:43:22 PM
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津本 小生

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