いきいき宋休記

いきいき宋休記

2008年08月16日
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カテゴリ: エッセイ・詩画



 前書きに、氣はどんどん付け加えていく「足し算」ではなく、余計なものを排除していく「引き算」にすると、氣が出易くなると書いてありました。にもかかわらず、その本を読んだ学生らしい人は、一生懸命覚えようと、次々に棒線を引いていったのかもしれません。

 受験勉強の習慣なのでしょうか、たくさんのことを頭で理解しようとしている行為は、前書きに書いてある内容とは正反対の行為であることに氣付いていないようでした。たくさん覚えれば、それが身につくと勘違いしているようでした。

 私たちは本を読んだり人から話を聞いて、それで分かったような氣分になることがあります。頭だけの理解です。しかし実際には具体的にその内容を実践して初めて、真の理解につながるのではないでしょうか。

 たくさんの知識を詰め込んでも、それを実際に活用して初めて、その内容が生きてくるのではないでしょうか。知識は行動して初めて、その人の身になってきます。たぶん読んだり聞いたりした内容とは、少し違ってくることが多いと思います。また実際にやってみると、それが間違いであることもあります。

 大人になるに従って、分かっていると勘違いしてることが多いような氣がします。実際には本当のことを分かっていないのに、分かったような氣分になっていることがあります。私もあるとき、分かっていると勘違いしている自分に氣付き、愕然としたことがあります。

 文章を書くようになってから、それを作品として和紙に墨書する際、漢字の間違いに氣付いたのです。それからは確認のため、辞書をずいぶん引くようになりました。文字の間違いだったら大した問題ではありません。しかしそれが生命にかかわるような勘違いだったら大変なことに気づき、それからは物事をよく観察するようになりました。軽々しく分かっているなどと、口にしなくなりました。

 情報も物もお金も、たくさん持っているだけでは、何にもならないようです。実際に役立ててこそ、生きてきます。役立てれば生き生きしてきますが、溜めるばかりでは、そのうち古くなって腐ってくるようです。

 詰め込むばかりの冷蔵庫を思い出してください。氣がつくと、古くなったものは腐っていることが多々あります。頭の中も同じなのかもしれません。時々は、いらないものの整理が必要のようです。




再出発

みたつもり
わかったつもりの
私だった
もう一度
新しい気持ちで
やってみる


柴田宋休第1詩画集 『あるがままに』より







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最終更新日  2008年08月16日 05時57分56秒
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