2006.02.24
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カテゴリ: オタク部分
 下の文章にAltern 8のジャケを貼付けて思い出した話。この文章自体は過去に(実験的に)「裏サイト」をやっていたときに短期間アップしていたんだけど、「俺が好きなとある漫画の作者が嫌い」という話だ。

fss.jpg 何度か書いたが、Five Star Stories(以下FSS)という漫画がある。ニュータイプってアニメ雑誌にたまに連載している所謂「オタク向け」と言っていいロボット漫画である。作者は永野護。Zガンダムやエルガイムってアニメ(懐かしい人もいる筈だ)のメカやキャラクターのデザインやってた人。この人がそのエルガイムをベースにして書いた漫画。

 FSSや、彼の(漫画家としての)デビュー作「フール・フォー・ザ・シティ」(勿論フォガットからとっている)がロックの影響を受けていることはある程度の知識があればすぐにばれることで、まあ別に本人も隠そうとするどころか事あるごとに公表しているのでばれるという表現は合っていないかもしれない。
 で、実際彼は彼のファンであるところの「オタク」達の為に非常に強い偏見に満ちたディスクガイドっぽいこともたまにやっている。偏見に満ちていることは置いておこう。で、ジャンル分けには彼なりの(歪んだ)拘りがあるようで、「普通そこに分類しないだろう」みたいなとこに平気であるアーティストを置いたりする。例えばマリリン・マンソンを紹介して「ハードロックはコレだけで充分」とか。
 まあ、それについては俺もモーターヘッド(FSSに出てくるロボットの総称だが、ソレでなく、勿論レミーのバンドね)を「パンクだ」と言い張ったりするから人のことは言えないんだけどね。

 彼の間違った(歪んだ)音楽感はそっち方面の知識がない「オタク」に歪んだ知識を与えるという危惧もあるが、まあそれは大きなお世話と言ったトコだろう。入り口がどうであれ、ちゃんと興味を持てばネットとかでも調べられるわけだし、そう言う危惧はまあ杞憂なんじゃないかと。

 じゃあ、何が問題か。

 「SKY」って言う本がある。これは1993年に永野が特殊なラジオ局(?)でDJをやった時の記録で、そこでオンエアした全てのレコードが載っている。出版は彼のお抱え出版社、トイズプレスだ。
 ここには当時の最先端のテクノアーティスト達が文章のみでも紹介されている(4ページ)のだが、ここでのアーティスト名表記、これがひどい間違い(デタラメ?)の嵐なのだ。

 "Bizarre Inc."、これをどう読んだら「バイザリー・インク」になるというのか。せめて(英語表記だし)ビザー・インクだよな。日本では当時「ビザール・インク」として紹介されていたグループだ。ファッションにもこだわりがある(と自称するがセンス変)な彼が「ビザール」って単語を知らないとは考え辛いがなあ。
 "Altern 8"これを彼は「アルテン8」と表記。恥ずかしくないのかね、コレって「実は音楽聴いてません」って言ってるようなものだよ。実際には「オルタネイト」と発音する。彼らの曲の中にもはっきりこの発音で出てくるフレーズなのだ。「ぢっしざさんどおーたねいっ!」ってね。間違えるにしたって「アルターン・エイト」とかの方がまだマシだよなあ。
xl2.jpg 「ヴァリアス・アーティス」なんだそれは。Various Artistsは要するに複数のアーティストによるコンピレーション盤である。彼は何を発狂したかこれを「トランスの代表軍」と紹介(実際に紹介されてるのはXLレーベルのコンピレーション)するが、カントリーでもメタルでも複数のアーティストが入ってれば何でも「ヴァリアス・アーティスツ」なのである。

 永野は発音/表記には結構こだわりがあって、FSS本編でも同じキャラクターがところどころで違う発音で登場する事がある。そう言うこだわりは勝手にしてもらうけど、オタク君達がレコード屋に行くとは思ってないのだろうか。彼の本を見て店員に「アルテン8下さい」とか「ヴァリアスアーティスください」なんて言って大恥をかく、と言うことは全く考慮してないわけだ。いや、考慮してない、んじゃなくて思ってもいないんだろうな。勿論「カタカナで英語を正確に表記するのは不可能」なんてのは言い訳だよな。だって似ても似つかない表記してるんだから。もっと言えば、考慮してないというよりも自分自身が解ってないんだろうけど。

 それと、読者を馬鹿にした姿勢ってのはまあ、この人の芸風なので基本的にはどーでも良いのだが、同じく「SKY」4ページ冒頭の文章を引用。

 「今の音を聴けなくて過去の音しか聴けないってんじゃ、それはもう若者じゃないっす。あとはテキトーに年とって死んで下さい(中略)FSSってとんがったコミックを好きになれるんだったらそう言う生き方をして欲しいよ」

 まあ、永野がこういうことを言う人なのはファンならみんな解ってるのだが、その後、ニュータイプ2000年8月号、グラビアページに掲載された彼の「ロックのレコード紹介ページ」を続けてみると、失笑を禁じえない。
 この記事はまあ、アナログレコードの自慢という性格もあるので一概には言えないが、彼はこの時点でもはや「今の音を聴けなくて過去の音しか聴けない」人になってることが解る。70年代のロック中心の紹介に逆戻りしてるのはいいとしても、「SKY」出版以降にシーンに登場したアーティストはなんと僅かにGarbageとMarilyn Mansonのみ。彼の音楽は1993年でほぼ止まっていることがありありと解る。
 もし、今でもクラブミュージックちゃんと聴いてる(追いかけてる)ならアナログも買ってる筈だよね?ここで自慢出来る筈だ。ってーか、2000年にもなってテクノ系の代表として2 UnlimitedとUtah Saints挙げんのはマズいだろ!(笑)。そりゃあ俺だってHardfloorやAphex Twin程度で止まっちゃってるけどさぁ・・・。
 つまりコレは、もはや彼自身が「そう言う生き方」をしてないっていうコトだね。つまり(彼の考えで行けば)「FSSってとんがったコミック」はもはや存在しないワケだ。

 まあ、確かにあの漫画、惰性でやってるフシはあるけどね。それでも俺はこの漫画は好きだから、ついて行くんだな。不思議なコトに。作者は大嫌いなんだけど。一種の近親憎悪かもしれない。






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Last updated  2006.02.24 23:03:30
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