2011.05.04
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 ビーチ・ボーイズが俺に与えてくれたものはそれほど大きくないのかも知れない。でも俺はこのバンドから、というよりこのバンドという存在から「音楽」や「バンド」に関するいろんなコトを知った。

 勿論最初はSurfin' USAをはじめとする脳天気なポップバンドだと思っていた。その後、ある程度音楽に詳しくなると「唯一無二の天才ブライアン・ウィルスン率いるポップグループ」という認識に変わる。だがこの時期、俺はあまりちゃんとビーチ・ボーイズを聴かないまま、一部の狂信的ファンが語る言葉を信じていたように思う。
 彼らの一部は「ビーチ・ボーイズ=ブライアン。マイク・ラヴは邪魔者」という様な論調でさえあった。ヴォーカルについてさえもね。「ブライアンの歌で全曲聴きたい」とか書いてるんだから呆れる。まあ、彼らの文章はあまりにも稚拙だったからそれが本当に真意だったのかはよく解らないのだけど(それだけ下手だったんだよな、VANDAの執筆陣は)。
bb_wildhoney.jpg
 俺がある程度ビーチ・ボーイズを真面目に聴き始めて思ったのは、まずシンガーとしてはもうカールが圧倒的。続いてマイク。ブライアン、アル、ブルースはほぼ一緒くらいで、デニスはまたそれらとは少し違った次元、と言う印象。確かに音楽制作という意味では圧倒的にブライアンが引っ張っていたが、前述した通りシンガーとしてはメンバー中最高とは言えない。ファルセットは確かに魅力的だったけどね。でもカールのあの優しさと力強さの同居した声の魅力を一度でも感じてしまったら・・・。

 要するに、「評論家なんか信じるな」というのもこの流れで感じたのだが(いや、評論家ってレベルの奴らじゃなかったけどね)、それ以上にやっぱり「バンドってのは絶妙なバランスで成り立っている」というコトを強く感じたのがビーチ・ボーイズを通じて思ったことだ。
 ブライアンが曲を書く。プロデュースもして、トラックを作る。だがそれをバンドとしての音にするのはマイクやカールの存在、彼らの声が不可欠だ。Pet Soundsが「ビーチ・ボーイズをヴォーカルに迎えたブライアン・ウィルスンのアルバム」には聞こえないのがその証拠。アルやデニスの存在は絶妙なバランス(ある意味リンゴ的?)に思える。ブライアンがキツいときにはカールやアル、ブルースのミュージシャンシップが補うし、ステージではマイクが引っ張らなければ何も起こらない。

 さて、そういうワケで、俺という人間の生成に直接関わったビーチ・ボーイズのアルバムは無い。ビーチ・ボーイズというバンドそのものの影響は非常に受けた、と思う。
 で、Sunflowerと迷いつつこのアルバムを挙げたのは何故かって?と、要するに「カール・ウィルスンが満載」だからだ。特に俺が一番好きな曲、Darlin'の存在。コレだけ何十回聴いても飽きないビーチ・ボーイズの曲はない。そしてソウルフルなロックナンバー、Wild HoneyやHere Comes The Night。アルバムとしてはハーモニーが不足していて、コレがビーチ・ボーイズ?って感じではあるんだけど、逆に「コレもビーチ・ボーイズ」っていう、その感じがまあ、ここまで書いてきた文にもリンクするんじゃないかと。

 6人の個性がより発揮されたアルバム、って意味ではSunflowerも素晴らしいので、是非聴いて欲しいんだけどね。アレ?このシリーズでこうやって「お勧め」したのって珍しい?





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Last updated  2011.05.04 16:11:37
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