聡明の旅館

聡明の旅館

第二話



  第二話「悲しみは突然に」


     ~帰り道~
 「・・でね?今日そういうことがあったんだ~w」
  「ハルミ・・・俺たち別れよう。」
 と、突然ヨウジが言い出した。
 「え?・・。」
 ハルミはその言葉に呆然と立ち、なぜなのかという顔をした。
 「俺付き合い方とかなにもわかんないし・・・もう疲れた」
 とヨウジは言い出した。
 ハルミは泣きながらこう応えた・・。
 「なんで?私・・・悪いことしたかなぁ?・・グス・・ヒック・・」
 そうヨウジに問い掛けた。
 「もう疲れたんだ・・ハルミの事あんまり好きじゃないし・・。」
 その言葉はハルミのもっとも深い心の部分に突き刺さった。
 「・・・。」
 ハルミは耐えきれず走っていった。振り返ることなく走りつづけた。

 「これでいいんだ。・・・これで」

 タッタッタッタ ~19:00~

 「ヨウジ君のバカ!バカ!・・グス・・バカァ!」(心の叫び)
 悲しみが表にでてきていた。顔はくずれ、涙は止まることなくながれつづけていた。 
 悲しみを表すかのように走りつづけた・・。

 プァアーン・・・キキキキー!!!!


  ~一方家に帰りついたヨウジ~19:50

 「はぁ・・・」
 ヨウジはため息をついた。
 「ハルミ・・・泣いてたなぁ・・。でもこれがハルミのためだ・・。」
 そう、ヨウジは本当は別れたくなかった。だけど自分の不甲斐なさからハルミに不快な思いをさせているのではないかと一人思い込んでいたのである。

 そう考え込んでいると突然下から声が・・。

 「ヨウジ~?ハルミちゃんのおかあさんが来てるわよ~?」

 「なんだろう?・・帰りの事かな・・。」
 ヨウジは仕方なく階段を下に降りた。

 トントントン

 すると
 「ヨウジ君!」
 とハルミのおばさんが焦っている様子で話し掛けてきた。
 「ハルミがかえってきないの。ヨウジ君なにかしらない?」
 「なんだって?ハルミが?」
 ヨウジは帰りのことを思い浮かべた。
 「まさか、家出?・・・いや・・そんなことする奴じゃない・・。なにかあったのか!」
 ヨウジは寒気を感じた。なぜか心臓が激しく鼓動し、不吉な感じがした。
 「おばさん!俺ちょっと心当たりをさがしてみるよ!」 
 「おねがいね!おばさんもさがしてみるから。」
 そう話し終わるとヨウジは外に飛び出した。

 ~ハルミと別れた場所~

 「ここで別れて・・・アッチにいったんだっけ・・よし!」
 ヨウジはなにか後悔に似た念をかんじていた。
 「ハルミ!頼むから無事でいろよ!」
 ソノ念を押しきり走り始めた。

 走り初めて15分・・・

 一通りの少ない道に出た。
 「ハァ・・・ハァ・・くそ!・・どこだ・・。」
 辺りを見まわしてもなにも見えない・。
 そうあきらめかけたそのとき!
 「ん?・・・なんだ・・あのトラック・・。」
 道の端っこにまるでなにかをさけたようにスリップしてとまっている。
 おかしいとおもい近づいてみると人が中で気を失っていた。
 「だ、大丈夫ですか!?」
 近づくとどうやら傷は軽傷ですんでいる。
 「なにを避けようとしたんだ・・・まさか!」

 トラックをおり後方をみた!
 そこにはあってほしくなかったモノがあった。
 「あのバッグ・・・・・・」
 すこし近づくと人間の手が見えた。血がでている。
 そしてあるモノをみたとき・・愕然とした。
 「あの指にはまっている指輪・・・俺が前ハルミにあげたモノに似ている・・。あはは・・・嘘だよな・・」
 そう言いながらゆっくり・・ゆっくりと近づいていった。
 そして少しずつみえてきたソレあってはならないものだったのだ。
 ・・・ソコに倒れているのは・・「ハルミ」だったのだ。
 「ハ・・・ハルミー!!!!!」
 ヨウジは急いでハルミにかけよった。
 「ハルミ!ハルミ!!!おきろ!死ぬな!」
 「・・・ん・・・よ・・う・・じ・・君・・」
 ハルミは生きていた。かすかながらまだ息はあったのだ。
 「ごめ・・んね・・・私・・・・」
 「いい!もうなにもいうな!」
 「よ・・うじ・・君・・。よか・・・った・・私・・嫌われて・・なかった・・・んだね・・。」
 「あたりまえだ!本当は・・・本当はハルミのこと・・・。」
 「あはは・・。よかった・・・ほ・・んとう・・・に・・。」

 ゴトッ・・・
  ハルミの手から力が抜けた。
 「ハルミ!!!死ぬなぁ!!!!」

 ザワザワ・・・ピーポーピーポー・・・

 遠くから聞こえてくる救急車の音だけがひびいていた・・。

                           ~つづく~










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